沖縄県民投票、結果を捻じ曲げる下地ミキオ議員の呆れた言説とその背景
2019.03.07
2月24日に沖縄県民投票、正式には「普天間飛行場の代替施設として国が名護市辺野古に計画している米軍基地建設のための埋立てに対する賛否についての県民による投票」が行われました。
当日の有権者数は115万3591人。投票総数は60万5385票となり、投票率は52.48%となりました。このうち、有効票数は60万1888票で、無効となった票が3497票でした。
普天間飛行場のある宜野湾市、沖縄市、うるま市、石垣市、宮古島市の議会が県民投票の実施に反対し、最終的に「賛成」と「反対」以外に「どちらでもない」を加えた3択で実施することで折り合いをつけ、このたびの県民投票となりました。そして、改めて結果を振り返ってみると、このようになっています。
賛成 11万4933票(18.99%)
反対 43万4273票(71.74%)
どちら 5万2685票(8.70%)
わかりやすいように小数点以下を四捨五入すると、ざっくり賛成が19%、反対が72%、どちらでもないが9%ということになります。言うまでもありませんが、沖縄県民が10人いたら7人は辺野古基地の埋立に反対しているということになります。さらに、年代別、支持政党別、地域別に分類しても、すべての年代、すべての支持政党、すべての市町村において「反対」が「賛成」を上回っていましたので、完全に「反対派」が圧倒的多数を占めているということになります。しかし、日本という国は、あらゆるデータが改竄される国です。恐ろしいことに、この数字さえも歪めて解釈する国会議員が複数存在したのです。その代表格が沖縄1区で比例ゾンビ復活の下地幹郎先生です。
沖縄の政治家で唯一、靖国神社に参拝することを欠かさない日本維新の会の下地幹郎先生。2017年の衆院選では沖縄1区から立候補し、共産党の赤嶺政賢さんに敗れ、さらには次点の国場幸之助先生からも大きく差を離されているのですが、よりによって日本維新の会に所属しているため、小選挙区ではほぼダブルスコアをつけられて負けているのに、なぜか比例復活するというマジックになっているのです。
[当]赤嶺 政賢 69 共産党 6万0605票
[比]国場 幸之助 44 自民党 5万4468票
[比]下地 幹郎 56 維新会 3万4215票
[落]下地 玲子 59 幸福党 2594票
投票率は57.36%でした。2014年の選挙では、沖縄1区で立候補した人が全員比例復活するという出来事もあり、これだけ差をつけられていても比例復活してしまう現在のシステムは考え直すべきだと思いますが、そんな下地幹郎先生が今回の県民投票について、こんなツイートをしていたので見逃せませんでした。
“県民投票が終わり、開票も終了しました。
「反対」43万4273票、「賛成」11万4933票、「どちらでもない」5万2682票、これに、投票に行かなかった55万余の県民を加えれば、「反対」は43万人超、「反対以外」が計71万人との結果になりました。”(下地ミキオ氏2019年2月24日のツイート)
最終決着をつけるのは、やはり政治の力だと、改めて感じております”(下地ミキオ氏2月24日のツイート) さらに、下地幹郎先生は「投票率64%、反対票39万票が基準である」というオリジナルルールを作り、この基準を超えられなかったので、勝利者の軍配をどちらに上げることもできないと言っています。これは選挙ではありません。沖縄県民の皆さんがどう思っているのかを示すための県民投票なので、どっちが勝つとか負けるとかではありません。 「沖縄県民の7割以上は辺野古基地に反対している」という事実の確認です。そんなことすら分からない人間が小選挙区でほぼダブルスコアで負けていながら国会議員をやっているのですから、一体、どうなっているんだという話です。 あげくに「最終決着をつけるのは、やはり政治の力だ」と言っていますが、下地幹郎先生は「反対7割」という現実に、投票に行かなかった人を数に加えるという歪んだデータを示し、「反対している人は少ない」とした上で、最後は「政治の力だ」と言っているのです。どう考えても、7割の民意を無視して基地を進める計画なのですが、下地幹郎先生とはどのような人物なのかという話を確認しておく必要があります。
下地幹郎先生の「ミキオ算」が斬新すぎる
反対43万4273票に対し、賛成は11万4933票、どちらでもないは5万2685票なので、「反対以外」といった場合には、通常、11万4933票と5万2685票を足して16万7618票ということになるはずですが、下地幹郎先生は、あろうことか投票に行かなかった人たち55万人分を加え、計71万票が「反対以外」であることにしたのです。これが「ミキオ算」の始まりです。県民投票が終わり、開票も終了しました。
— 下地ミキオ (@mikioshimoji) 2019年2月24日
「反対」43万4273票、「賛成」11万4933票、「どちらでもない」5万2682票、これに、投票に行かなかった55万余の県民を加えれば、「反対」は43万人超、「反対以外」が計71万人との結果になりました。 pic.twitter.com/e4WksijveY
”私が申し上げてきた「投票率64%、反対票39万票以上」という基準は超えられず、勝利者の軍配をどちらに上げることもできない状況が生まれてしまう事となりました。私が申し上げてきた「投票率64%、反対票39万票以上」という基準は超えられず、勝利者の軍配をどちらに上げることもできない状況が生まれてしまう事となりました。
— 下地ミキオ (@mikioshimoji) 2019年2月24日
最終決着をつけるのは、やはり政治の力だと、改めて感じております
最終決着をつけるのは、やはり政治の力だと、改めて感じております”(下地ミキオ氏2月24日のツイート) さらに、下地幹郎先生は「投票率64%、反対票39万票が基準である」というオリジナルルールを作り、この基準を超えられなかったので、勝利者の軍配をどちらに上げることもできないと言っています。これは選挙ではありません。沖縄県民の皆さんがどう思っているのかを示すための県民投票なので、どっちが勝つとか負けるとかではありません。 「沖縄県民の7割以上は辺野古基地に反対している」という事実の確認です。そんなことすら分からない人間が小選挙区でほぼダブルスコアで負けていながら国会議員をやっているのですから、一体、どうなっているんだという話です。 あげくに「最終決着をつけるのは、やはり政治の力だ」と言っていますが、下地幹郎先生は「反対7割」という現実に、投票に行かなかった人を数に加えるという歪んだデータを示し、「反対している人は少ない」とした上で、最後は「政治の力だ」と言っているのです。どう考えても、7割の民意を無視して基地を進める計画なのですが、下地幹郎先生とはどのような人物なのかという話を確認しておく必要があります。
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