渋谷に突如現れた「くらバーガー」――誕生のキッカケはある「社会問題」だった
近年「寿司以外」のメニューをウリにする回転寿司店が増えており、各社がしのぎを削っているなか、また新たな「珍メニュー」が現れることとなった。
しかもそのメニューはある「社会問題の解決」にも一躍買うものだという。
果たしてそれは一体…。
その「珍メニュー」のポップアップショップが誕生したのは渋谷センター街。
誰もが知る「角海老」の大看板を目印に進むと右側(北側)に目に入る「KURA BURGER」(くらバーガー)がその店だ。
店名を見て分かる通り、その「珍メニュー」とはハンバーガーで、運営会社は大手回転寿司チェーン「くら寿司」を運営するくらコーポレーション(本社:大阪府)である。
「KURA BURGER」の外観は「くら寿司」特有の蔵をイメージした姿ではなく木目調。
お昼時とあって混み合っているかと思いきや、待ち時間は10分ほど。店内に入ると内装も木目調で、制服である「KURA BURGER」の法被が印象的だ。
メニューは「ミート」と「フィッシュ」の2種類。価格はそれぞれ税込270円で、そのほかにくら寿司で販売されている「シャリコーラ」(税込180円)も飲むことができる。もちろん、これらの商品は同社の他の商品と同様に「無添加」を特徴としている。
KURA BURGERとシャリコーラを購入し、2階のイートインスペースへと向かう。このイートインはいわゆる「立ち食い」形式で、テーブルには寿司屋よろしく「特製ガリ」と「わさび」が置かれている。水はセルフサービスだ。
このハンバーガーの特徴の1つは「バンズ」で、寿司屋らしく「米粉と黒酢を配合した米粉パン」が使用されている。具材は「ミート」「フィッシュ」ともにオニオンリング(玉ねぎの天ぷら)とサンチュ。ミート、フィッシュともにハンバーグ状に加工されたパテが使用されている。「魚のバーガー」というと「白身魚のフライ」などが使用されているものを思い浮かべる人も多いであろうが、一番の特徴とも言うべきこのフィッシュハンバーグ状のパテに「大きな秘密」がある。
実はこのパテは、寿司ネタになる魚のうち「ネタに使えない中落ちや切れ端」など余った部分で作られたもの。これまで、そうしたものは一部が店内で加工されて提供されていたものの、多くが捨てられていたという。くら寿司はハンバーガーを販売することで大きな社会問題となっている「食品ロス」の解消に取り組もうとしているのだ。
くら寿司によると、このハンバーガーの構想には約5年が費やされたという。単に食品ロスの解消・生ゴミの削減を目指すのならば他にも方法はあるであろうが、こうして本格的ハンバーガーを作ってしまうところが「メニューの多彩さ」をウリにする同社らしい。
ハンバーガーは専門店に負けない味で、揚げたてのたまねぎの天ぷらが香ばしい。肝心のバンズは、言われてみなければそれほど「寿司感」は無く、どこか甘みを感じる。
また「ガリトッピング」は酸味があってハンバーガーと一緒に食べるとピクルスのような感じでもあり、魚肉独特の匂いを消してくれる。
ハンバーガーで「社会問題を解決」とは一体……?
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