ここまで「質問時間」に着目して検証してきたが、ここからは「質問内容」に焦点を当てたい。
具体的には、2月26日午後に質問した記者全6名の全質問を信号無視話法の観点で分析する。
「信号無視話法」分析では各記者の質問内容を以下の配色ルールに沿って色分けすることとする。
青信号:質問内容
黄信号:質問の前置き、質問に関係する経緯を説明
赤信号:質問と無関係、事実誤認
通常色:不要な言葉、言い間違い、似た言葉の繰り返し(読み飛ばしたほうが理解しやすい箇所)
また、菅長官は「会見は記者が意見を述べる場ではない」と考えている様子のため、記者の個人的意見と思われる箇所は< >で括って区別してみよう。
望月記者に対しては、「自分の意見を喋り続け、なかなか質問に移らない」「質問に事実誤認がある」といった批判があり、その批判が正しければ望月記者は他の記者と比べて黄信号や赤信号の割合が高く出て、< >で括られる部分も望月記者だけ多くなるはずである。
この会見で質問した6人記者の所属と名前、質問内容は以下を参照いただきたい(✳︎漢字が不明の記者がいるため、記者全員を公平にカタカナで表記する)。
共同通信・オガサワラ記者
産経新聞・ナカムラ記者
フジテレビ・チダ記者
北海道新聞・カネコ記者
ニコニコ・ナナオ記者
東京新聞・モチヅキ記者
共同通信・オガサワラ記者:
黄信号67%、
青信号25%、地の色8%
産経新聞・ナカムラ記者:
黄信号70%、
青信号28%、地の色 3%
フジテレビ・チダ記者:
黄信号58%、
青信号41%、地の色 1%
北海道新聞・カネコ記者:
黄信号76%、
青信号23%、地の色 1%
ニコニコ・ナナオ記者:
黄信号58%、
青信号37%、地の色 5%
東京新聞・モチヅキ記者:
黄信号64%、
青信号30%、地の色 6%
6記者に共通して、前置きや質問に関係する経緯の説明(
黄信号)に約6割〜7割を費やした後、約3割~4割を質問(
青信号)に充て、言い間違いや不要な言葉(地の色)がわずかに混ざってしまう、という構成だ。モチヅキ記者も平均的な割合におさまっている。つまり、
モチヅキ記者の質問の構成は他の記者と大差ない。「なかなか質問に移らない」という批判は全く当たらない。
では、具体的にどのような質問だったのか1人ずつ順番に確認していく。