沖縄の若者の「悩み相談」から始まった県民投票が、辺野古埋立工事を止める「法的根拠」に!?

県民投票の条例案は、一昨年に作って県に出してあった

武田真一郎教授

武田真一郎教授(左)

 最初は、知識豊富な教授に若者が悩み相談をするという“師弟関係”だったが、途中から弟子が師匠に指示する“主従関係”に変わったというのだ。また武田教授は、県民投票実現に至るまでの“秘話”も明かした。 「『県民投票が必要だ』ということは1年半以上前から言ってきました。(当時の)翁長雄志知事が2015年10月に埋立承認取り消しをした時に『県民投票をやってから取り消した方がいい』と思っていました。 『取り消しが違法』と判断された福岡高裁の判決があった日(2016年9月16日)に、実は翁長さんから知事室に呼ばれまして、お話をする機会がありました。その時に『県民投票をしたうえで(埋立承認)撤回をするのがいちばん有効だと思う』と申し上げたのです。  しかも県民が直接請求をして条例を制定しないと、『知事がやらせたと言われる』と申し上げたのです。すごくよく分かっていただきました。それで知事の側近の方々からは『県民から声が湧き上がってくるのを待っている』というふうに聞いていました。  ある筋からの要請で、一昨年(2017年)の2月でしたかね。オール沖縄の幹部の方々にも『県民投票をやった方がいい』と話しに行きました。しかし非常に反応が鈍かった。『やらないと決めたわけではないけれども思考停止だ』という話をずっと聞いていた。  そんなことがありまして、実はとっくに条例案を作って県に出してありました。元山君たちが直接請求をしたものは、私が作った条例案を叩き台にしているのです。『準備は万端だったのだけれども、なかなか動かなかった』という経緯がありました」(武田教授)

裁判所が埋立承認取り消しを認めなかった根拠が瓦解

 反応が鈍い中高年世代の思考停止状態を、即断即決でパワフルな若者たちが打ち破って、快挙を成し遂げたというサクセスストーリーでもあったのだ。集会で、元山氏は県民投票実施の理由について、ひとつひとつ説明した。 「3番目が埋立承認の取り消しに対する判決です。2016年9月に福岡高裁那覇支部、12月には最高裁で出されたのですが、これが一つの県民投票の理由になっています。特に2016年9月の高裁での判決に『沖縄県民の民意は選挙結果からは明らかではない』と書かれていました。『基地反対が沖縄の民意、(沖縄県知事選の)選挙結果だ』と私も思いますが、裁判所、福岡高裁の人はそうは考えていなかった」  しかし今回の県民投票で「反対71.74%(投票率52.48%)」の結果が示されたことで、状況は一変した。裁判所が県の埋立承認取り消しを認めなかった根拠の「県知事選では基地反対の民意は明らかではない」が瓦解することになったのだ。
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「埋め立て承認再撤回」の最大根拠に
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