ウーマン村本氏の訪問などを機に、県民投票への関心高まる
ウーマンラッシュアワー村本氏は2月24日にも沖縄を訪問して元山氏を激励。トークイベントも行った(写真/読者提供)
今回の県民投票では、若い世代の精力的な動きが光った。全県での投票実施を求めて「辺野古県民投票の会」の元山仁士郎代表がハンストを始めた直後、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔氏が沖縄を訪問して元山氏にインタビュー。それが地元紙などに報道されると、激励に訪れる人が相次いだ。このハンストがきっかけとなって、質問項目を3択に増やすことによる全県での実施が実現したのだ。
投開票日の24日、再び村本氏は沖縄入りをして元山氏を激励。那覇市内で「沖縄県民、笑いにおいで」という独演会を開催した。そして村本氏はツイッタ―でも「ハワイから問題を他人事にできない人(注:ホワイトハウス嘆願署名を呼び掛けた日系4世のロバート・カジワラ氏のこと)が来てるのに、日本の本土の人は、県民投票がなにかすら知らない。東京中心で作られるメディアとはなんだろう。いま平和で幸せな人からしたら、沖縄ってなんだろう」と発信した。
一貫して「結果にかかわらず移設を進める」と菅官房長官
会見で「普天間飛行場の危険除去」を繰り返してきた菅官房長官は、投開票前から県民投票の結果には左右されないと明言していた
県民投票の投開票を受けて与野党も談話を発表。立憲民主党の福山哲郎幹事長は、政府に工事中断を求めた。
「政府はこの結果を極めて重く受け止めなければならない。『沖縄県民に寄り添う』などの言葉とは裏腹に、累次にわたって示されている沖縄県民の民意を全く無視する基地建設の強行は、民主主義の何たるかに目を向けようともしない安倍政権の体質を如実に現しており、断じて許し難い。直ちに辺野古での基地建設工事を中断すべきであることは言うまでもない」
一方、自民党の岸田文雄政調会長は「結果を真摯に受け止める。沖縄県及び県民に理解と協力が得られるよう最善を尽くしたい」というコメントを発表したが、これはリップサービスにすぎない可能性が極めて高い。県民投票の投開票前から政府は、その結果を無視する姿勢を示していたからだ。
県民投票が告示された2月14日の会見で菅官房長官は「どういう結果でも移設を進めるか」との記者からの質問に対して、「基本的にはそういう考えだ」と回答している。「問題の原点は普天間の危険除去と返還だ」という常套句を繰り返すだけ。投開票日の2日前の22日の会見でも菅官房長官は『東京新聞』記者の質問に次のように答えていた。
――どのような結果であっても、投票結果は政府に対する沖縄県民の民意を示すものと考えられます。政府はそのように認識されているのでしょうか。
菅官房長官:まず県民投票については、地方公共団体が条例に基づいて行うものであり、政府としてコメントをすることは差し控えたいと思います。
そのうえで申し上げれば、普天間飛行場の辺野古移設をめぐる問題の原点というのは、市街地に位置し住宅や学校に囲まれ、『世界でいちばん危険である』と言われている普天間飛行場の危険除去と返還だったのではないでしょうか。
政府としては、普天間飛行場の危険除去と辺野古移設に関する政府の考え方や、沖縄の負担軽減に目に見える形で実現するという政府の取り組みについて、丁寧に説明をして地元の皆様に理解・協力をいただきながら粘り強く工事を進めていくという考えに変わりはありません。
――「県民は普天間の危険性除去も大切ということを含めて、悩みながら投票するものだ」と私は思っています。大変失礼な言い方で恐縮ですが、政府は投票結果を無視することなのでしょうか。
菅官房長官:「無視する」ということではなくて、この辺野古移設については手続きを沖縄県に申請し、そこから許可をいただいて工事をしております。いま申し上げたように、いちばんの原点は普天間飛行場の危険除去と固定化を避けることではなかったのでしょうか。残念ながら、今の危険除去を避けるためにどうするのかということが現知事からは語られていないことについては残念だと思っています。