“普通のおばちゃん”が24時間・年中無休で運営する、子どもと親のための「駆け込み寺」

自分がほしかった支援がなかったから作っただけ

サポハ_外観

サポートハウスの外観。活動場所がなかなか見つからず、やっと取り壊し予定の家を見つけて自己資金で修繕、風呂などを増築してスタートした

 サポハの料金は1食500円、1泊2食3000円、1か月食事つきで6万円。相談料はとらないという。 「だって、困った人がお金もないのは当たり前の話だもん。しょうがないよ」(山本さん) 「山本さんへの気持ちは『ありがとう』なんて言葉じゃ足りない」 「僕も山本さんみたいな大人になって、困っている人を助けたい」 「サポハに住めてよかった。私の波瀾万丈な子ども時代は、サポハに出会うための布石だった」  これらは、サポハで過ごした子どもたちから出た言葉だ。  しかしそんな言葉を、山本さんはいつも、「何を言ってるか。ええように言うてからに。なんも出んぞ」と、冗談めかして笑い飛ばしてしまう。 「だって、自分がほしかった支援がなかったから作っただけだからね。まだまだ世の中は冷たい。こんなんじゃ弱いものは救われん。そう思ったらいてもたってもいられなくなって作っただけ」  障害のある一人息子を育てていく中で、周囲の無理解や制度の不備など、さまざまなことで苦労してきた。理不尽な思いも重ねた。その日々の中で思い描いた理想の家族支援が「日常生活支援サポートハウス」なのだ。
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「命ある限りサポハは続けていく」
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