「基地引き取り運動」をきっかけに、沖縄の問題を「ヒトゴト」から「ジブンゴト」に
山田さんの店で開催している三線教室に通っているメンバーも、シール投票の応援に駆けつけた
今回のシール投票実施の意義について、山田さんは「今回、沖縄のことをきちんと考えてくれている市民がたくさんいることがわかりました。日本各地で『沖縄の基地問題に関心を持っている』との民意があることを示したい」
山田さんが「応答する会」を設立しようと思ったきっかけは、昨年9月、「米軍基地を日本各地で引き取ろう」と提唱している高橋哲也・東大教授の講演を聞いた時だったという。
10年前、民主党の鳩山由紀夫政権は普天間基地について「海外移設。最低でも県外」を公約し、沖縄県民の多くも熱心に「最低でも県外」を叫んだ。結局、それは叶わなかったが、この時「米軍基地絶対反対」の市民運動は、「最低でも県外」をそれほど支持しなかった。なぜなら、県外に移設することは新たな問題を生むとみなされていたからだ。
現在、いわゆる「本土」では9つの市民団体が「引き取る」運動を展開しているが、山田さんにとって、自分たちの「最低でも県外」の声を初めて拾ってくれたと感じたのが高橋教授の講演だった。それを機に、山田さんは「引き取り」運動を埼玉県でも始めようと決め、自分の店を事務局とした。そして有志で勉強会を重ね、2月上旬に会を正式に立ち上げた。
「沖縄県以外のどこかの自治体が沖縄の米軍基地を引き取ってくれない限り、沖縄は永遠に今の状態が続きます。そして沖縄県以外の人にとって、沖縄の基地問題はヒトゴトになっている。この問題をぜひジブンゴトとして考えてほしい。その思いで運動をしています」
<文・写真/樫田秀樹 TwitterID:
@kashidahideki>