安倍政権と統一教会。首相官邸での密談発覚、利用される2世信者たち<政界宗教汚染~安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第5回>

首相官邸で教団幹部と密会

 その情報は、教団内部のあるルートを通じてもたらされた。  UNITEが渋谷で最初の大規模デモを行なった直後の2016年6月上旬、安倍首相が統一教会・家庭連合の徳野英治会長と李海玉総会長夫人を首相官邸に招いたというものだった。  そこでは何が話し合われ、徳野会長は安倍首相に何を報告したのだろうか。13年の参院選で安倍首相の依頼によって全国の信者に北村経夫への期日前投票が指示された際、信者には「選挙終了後に徳野会長が安倍総理に会いに行く」との話が伝わっていたが、その会談は実現していた。  この首相官邸での密談について『やや日刊カルト新聞』で報じたところ、後日、同教団の関係者から「徳野会長と宋総会長の御夫人が首相官邸に招待されたことは教団内でも一部の人間しか知らないはず、なぜそのことを知っているのか」と訊かれたことを付け加えておく。

多くの自民党議員がUNITEの活動に参加

 この官邸での“取引”を裏付けるように、UNITEの活動を追う過程で複数の自民党国会議員との関わりが判明した。  2016年11月、UNITE FUKUOKAが福岡市男女共同参画推進センター・アミカスで『UNITE学生フォーラム』を開催、自民党代議士会副会長(当時、現在は環境大臣)の原田義昭衆議院議員が基調講演を行った。昨年9月、原田に統一教会との関係を直撃すると「選挙やってるとね」「いろんなお世話にはなっているんでしょうね」「付き合いもあるし」と認めた。  17年4月8日、UNITEの関西支部UNITE KANSAIが大阪市淀川区民会館で開いた学習会に自民党の衆議院議員である長尾敬と谷川とむが参加。長尾らは「若者の政治離れが叫ばれる中、こんなにも純粋で、政治の勉強をしている若者が集まっていることに大変驚き、感動した。勝共UNITEの今後の活動を応援する」と挨拶。両議員とも筆者の取材に対し秘書を通じて「回答を差し控える」と答えている。  同学習会には柳本顕・元大阪市議会議員と田中学・貝塚市議会議員も参加した。柳本顕の叔父は自民党の柳本卓司参議院議員。柳本卓司は2013年10月16日にさいたまスーパーアリーナで開催された統一教会・韓鶴子総裁の大規模講演会で中川雅治参議院議員(前環境大臣)とともに来賓挨拶した他、2015年1月12日には韓国の国会憲政記念館大講堂で開かれた『韓日青年大学生平和シンポジウム及び姉妹結縁式』に来賓出席し「韓日トンネルを大阪、ヨーロッパまで」と来賓挨拶するなど同教団とはずぶずぶの関係にある。  今期の改選を以って政界を引退する柳本卓治に替わって、地盤を引き継ぐ甥の柳本顕が今夏の参院選に大阪選挙区から世襲で立候補する。
UNITEの学習会に参加した長尾敬ら国会議員(UNITE公式サイトより)

UNITEの学習会に参加した長尾敬ら国会議員(UNITE公式サイトより)

 他にも、高校生を対象にした『救国塾』などのUNITEのセミナーにやはり複数の自民党の国会議員が参加している。
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政権の指示はあったのか、忖度なのか?
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