株価暴落の2018年でも着実に19.9%の利益、ローリスク・ミディアムリターンのネット株投資術「石橋攻略」とは?

株価が暴落した2018年でも投入金額の19.9%、397万円の利益

NYダウ推移 2018年の株価は大荒れになりました。トランプ米大統領が仕掛けた米中貿易戦争や同大統領の金利政策に関する不規則発言、英国のEU(欧州連合)離脱(ブレグジット)に伴う混乱などが重なって、株価の季節性(アノマリー)は著しく損なわれました。  ダウは2018年10月3日に2万6828ドルの史上最高値を付けた後、一転下落に転じ同年12月24日には2万1792ドルまで低下しました。わずか2か月半ほどの間に5036ドルも下落しました。当然日経平均にも大きな影響を与えました。  日経平均は10月2日の終値が2万4270円でした。年初来高値を更新したばかりではなく、1991年11月13日以来27年ぶりの高値を付けました。その翌日からダウの下落を追いかけるように暴落し、12月25日の終値は前日比1010円安の1万9155円まで低下しました。ダウ同様、約2か月半で5115円も下落しました。リーマンショック以来の大幅下落です。 2018年終値 ハイリスク、ハイリターンを目指す多くの個人投資家は、この下落で大損をしました。追証率を割り込み、損を覚悟で損切する投資家が目立ちました。 しかしローリスク、ミディアムリターンの「石橋攻略」では、それほどの打撃を受けませんでした。私の場合、2018年の利益は配当金を加え397万3627円、投入金額の19.9%の利益を得ることが出来ました。2017年と比べ約29万円利益が減少しましたが、これだけの暴落を無事、乗り越えることができたことで、石橋攻略の安定性が逆に証明できたのではないかと思います。
2018年損益

筆者の2018年の取引損益

「石橋攻略」は大儲けには不向きだが、1割程度の利益を安定して上げられる

「石橋攻略」はローリスク、ミディアムリターンを目的とした投資手法なので、株式取引に伴うハイリスク部分をできるだけ封じ込めています。その当然の結果ですが、1割程度の利益確保には優れていますが、大儲けには向いていません。  私の場合、ネット株を始めた時の最初の投入資金は2000万円です。2000万円を使ってハイリスク投資をすれば、理屈の上では5000万円程度まで資金を増やすことは可能です。それはよほど幸運に恵まれた場合です。逆に2000万円をすべて失うリスクもあります。  確率的に言えば、2000万円を失うリスクの方がはるかに大きいと思います。2000万円を運用し1年間で5000万円に増やすことができる幸運な人は、1000人にひとり、いや1万人にひとりもいないかも知れません。  これに対し「石橋攻略」は原則に従って慎重に運用すれば成功率はかなり高いと思います。私の場合、2012年から2018年までの7年間の年平均利益率は約15.4%でした。 ◆石橋叩きのネット株投資術 第28回 <文/三橋規宏> みつはしただひろ●1940年生まれ。1964年慶応義塾大学経済学部卒、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、科学技術部長、論説副主幹、千葉商科大学教授、同大学名誉教授、環境を考える経済人の会21事務局長等を歴任。主著は『新・日本経済入門』(日本経済新聞出版社)、『ゼミナール日本経済入門』(同)、『環境経済入門』(日経文庫)、『環境再生と日本経済』(岩波新書)、『サッチャリズム』(中央公論社)、『サステナビリティ経営』(講談社)など。
経済ジャーナリスト。1964年、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、論説副主幹などを経て、千葉商科大学政策情報学部教授。2010年から名誉教授。専門は日本経済論、環境経済学。編著書に『新・日本経済入門』(編著、日本経済新聞出版社)『環境が大学を元気にする』(海象社)など多数。『石橋をたたいて渡るネット株投資術』(海象社)を8月9日に上梓。
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