Amazonも苦戦中。東南アジアのeコマース市場に君臨する「LAZADA」とは?

eコマース市場拡大を後押しする電子決済の普及

 しかし、そんな煩雑かつアナログな作業も変わりつつある。2018年に入ってからは、タイ政府が長期高度経済成長のビジョンとして掲げる「タイランド4.0」の一環として、銀行アプリを経由した個人間送金のシステムを推し進めているのだ。これによってスマートフォンに銀行のアプリを入れておけば、支払いがさらにスムーズになるだろう。  現状でも、「LAZADA」の支払いはクレジットカードのほか、「Pay Pal」や「LINE Pay」、オンライン・バンキングほか、代引き、「セブンイレブン」やスーパーマーケットといった多彩な支払い方法を利用できる。この点も「LAZADA」の強さの一因だと思われる。  そして、このビジョンや「eコマース市場(電子商取引)」普及の流れを受けて、コンビニエンスストアや大手スーパーで様々な支払いができるようになっている。
使える決済サービス

大手スーパー「Big C」のレジで利用できる支払いサービスの一覧

 タイ国内発行のクレジットカードの信頼性が低いことを理由に、タイ国内のECサイトでさえ利用を制限している。我々外国人であれば例えば日本のクレジットカードで支払いができるが、純粋なタイ人はクレジットカードを保有していてもオンライン・ショッピングの支払いに難儀していた。しかし、コンビニ決済などが可能になればタイ人もネットショッピングしやすくなり、市場拡大に繋がっていくのは間違いない。  今後さらにタイのECサイトが発達することは間違いない。日本企業でも「LAZADA」への進出を果たしている企業も増えつつある。今後は、タイ人の消費行動がネット上になることで国境もなくなり、日本にいながらにしてタイ国内の顧客を掴むチャンスが到来していると言ってもいいかもしれない。 <取材・文・撮影/高田胤臣(Twitter ID:@NatureNENEAM)> たかだたねおみ●タイ在住のライター。近著『バンコクアソビ』(イースト・プレス)
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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