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geralt via pixabay
東南アジアでAmazonが苦戦中だという。一部では、「東南アジア撤退」の噂すらも流れている。
その苦戦の理由が、「東南アジアのAmazon」とも言われる「LAZADA(ラサダ)」の人気だ。タイでは、ECサイトとしてダントツの人気を誇っている。
東南アジアではAmazonより強い「LAZADA」
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タイのLAZADAのサイト
「LAZADA(ラサダ)」は、2011年にシンガポールを拠点に創業し、現在はタイやシンガポールのほか、ベトナムやインドネシア、マレーシア、フィリピンの6ヶ国で展開する。2016年には年間総流通総額が13億6000万ドルを超え、かつ同年に中国のアリババ・グループが経営権を10億ドルで獲得。名実ともに東南アジア最大のオンライン・ショッピングのサイトになった。
タイは意外に思うかもしれないがECサイトが普及しており、「LAZADA」以外にも、価格比較をしながら商品購入ができる「Priceza(プライスザ)」やモバイルに特化しているオンライン・マーケット「Shopee(ショッピー)」といった人気ECサイトがある。ちなみに、「Shopee」はシンガポールで2015年創業、「Priceza」は2010年にバンコクで創業した企業だ。ただ、歴史と商業的なテクニックからか規模やアクセス数は「LAZADA」が圧倒している。
そもそも、「LAZADA」は「東南アジアのAmazon」とも言われるが、現実的に「Amazon」はタイにはなく、東南アジア全体でもシェアは5%程度とされる。もしタイ在住日本人が「Amazon」を利用する場合、日本サイトで購入し、国外への転送サービスを経由してタイに持ち込む。そのため、費用がかかってしまうし、配送にも時間がかかる。
もちろん、タイで「LAZADA」を利用すると、日本の「Amazon」のように翌日には届くといったことは現状は難しいようだ。タイはこれまで宅配便などの小口配送は郵便局のEMS(エクスプレス・メールサービス)がその役割を担ってきた。「LAZADA」での購入品は「Kerry Express」というクーリエ業者が中心になって配達しているが、それでも注文した商品が手元に届くまでには数日かかる。とはいえ、「Amazon」の転送よりは十分に早い。
こうして「LAZADA」はこれまでになかったサービスを提供し、東南アジアで「Amazon」を凌ぐ、eコマース市場でトップシェアを誇るオンライン・ショッピングサイトになっているのだ。