なぜ、スペインやEUによるベネズエラのグアイドー暫定大統領支持表明が遅れているのか?

ひと目を忍んで電話会談したスペイン首相

 この時点からサンチェス首相は事態は急を要するというように感じたらしい。その結果、彼が早速取った行動はグアイドーと直接電話会談したことであった。そのために人の気配のないところを望んだサンチェス首相はわざわざダボスの会場から外に出て雪で覆われた木々に囲まれた所で8500キロ先のグアイドーと電話会談したのである。  この電話会談で、サンチェス首相は、ベネズエラ国民議会が合法であることを表明し、EUも同様の姿勢であることをグアイドーに伝えたという。そしてサンチェス首相はベネズエラで公正な選挙が実施されることを要望した。(参照:「El Pais」)  グアイドーは、サンチェス首相からの電話を受けたこと、そして暫定政府から総選挙への実施を導くべく戦っていることを伝えた。サンチェス首相から全面的な支持があったというツイートを公開した。  しかし、電話会談の後もまだサンチェス首相はスペイン政府として彼を暫定大統領として承認するという表明はまだ行っていない。EUと共同歩調を取りたいというのが理由であった。  それに対して、スペインの2大野党国民党とシウダダノスは執拗にグアイドーを暫定大統領として即刻承認すべきだと訴え、フェリペ・ゴンサレスとホセ・マリア・アズナールの二人の元首相もグアイドーを承認すべきだと表明。前者は、非合法的に大統領になったマドゥロに執行権はないとして権力の空白が現在存在していると指摘し、後者は無能なスペインの現政府から脱皮して既に承認している国々と道義的また政治的に承認する義務があると指摘した。(参照:「OK DIARIO」、「OK DIARIO」、「El Espanol」)
次のページ 
足並み揃わぬEU
1
2
3
4