悪徳タクシーが多かった東南アジアが一変。伸びる配車アプリ

東南アジア観光に行く日本人の間でも利用率高し

 バンコクの玄関口スワンナプーム国際空港からMRT(地下鉄)ラーマ9世駅まで320バーツ(約1110円)と表示される。メータータクシーだと200バーツ(約700円)くらいで行けることもあるのでやや高いが、タイのタクシーもメーターを使わず言い値をふっかけたりと評判が芳しくないので不愉快な思いを避けたい人は利用価値ありだろう。  その後、タイ最大の歓楽街パタヤでも使ってみたが、パタヤビーチ界隈はソンテウ(乗り合いバス)が主流で元々タクシーが少なく、ちょっとパタヤ郊外へ行こうとするとタクシー探しに苦戦する上、ほぼメーターは使わないので、パタヤではタクシーより安く便利に利用できた。 「グラブはバンコク在住日本人の間ではまだあまり使われていませんが、乗車拒否が横行している場所などでは使えるのでケースバイケースで使っています」(バンコク在住の日本人男性)  バンコクは乗車拒否が慣習化しているのでそんな時に利用価値があるようだ。あと、初バンコクという女子旅の2人へ聞くと、 「昨年訪れたバリ(インドネシア)ですごく便利だったのでバンコクで使ってみようと、スワンナプームで手配したのですが、空港が広すぎて該当車が探せずキャンセルしちゃいました」(日本人女性)  グラブで配車される車は一般車なので手がかりは待ち合わせ場所と車両番号くらいとなり街中から空港へは利用しやすいが、逆は注意が必要となる。  次にベトナムのホーチミン市で利用してみた。
グラブ検索画面

ベンタイン市場からタンソンニャット国際空港でグラブ検索(追加で空港入場料が必要)

 結論から言うとグラブはタイよりベトナムの方が利用価値が高い。  グラブの使い方は、現在地がGPSで表示されて目的地を英語で入力するとヒットし、行けそうな車がマッチングされ、料金が表示されるので予約である「Book」を押すと、配車された車のマーク近づいてきて到着予定時間が表示される。運転手からのメッセージが飛んでくることがあるので簡単な英語で返信すればOKだった。  ホーチミン市でのグラブ料金は優良タクシーと同じかむしろ少し安いくらいで、探せば短時間でマッチングできた。  ちょうどこの日はサッカーベトナム代表がマレーシアに勝利しホーチミン市は深夜まで暴走族を思わせるようなお祭り騒ぎだったが問題なく利用できた。
ホーチミン市街を走るバイク

ベトナム代表の勝利の暴走は深夜まで続く

 滞在中にグラブを4回利用したが、いずれの運転手も簡単な英語ができたので会話も楽しめ、もちろん、ぼったくりもなく、到着したら「カモーン」とベトナム語で伝えて降りるだけ。  さすがに空港へ向かう早朝はグラブ上で該当車がヒットせずヴィナサンタクシーを利用したが、お釣りの1万ドン(約45円)を返してくれなかった。たった45円だが著しく心象を悪化させるのがもったいない。優良タクシーでもこれが現状なのだ。 「在住者でも日常的に利用しています。ベトナムは渋滞がすごいので車よりもバイクを利用する人が多いです」(ホーチミン市在住の日本人女性)  そう、グラブでは車だけじゃなく、バイクタクシーも選ぶことができ、料金も車よりも安く、しかも渋滞知らずなので、短距離なら高コスパなのだ。
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インドネシアでも勢力を伸ばす
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