平成とともに「消える泉」と「生きる泉」――明暗を分けた2つの「梅田名物」
この春、大阪・梅田で約50年間に亘って名物として親しまれてきた2つの「泉」が明暗を分けることとなった。
果たして、その2つの「泉」とは…?
「消える泉」とは梅田地下街「ホワイティうめだ」で約50年間親しまれてきたシンボル「泉の広場」の噴水だ。
泉の広場は地下鉄・大阪メトロ東梅田駅から東側の地点にある噴水広場。ちなみに広場の地上には大阪の南北の大動脈である「新御堂筋」や、心斎橋から移転したパルコ系ライブハウス「梅田クアトロ」が立地する。
梅田地下街は1962年に整備され、泉の広場は1度目の大阪万博が開催された1970年に設置された。現在のヨーロッパ調の外観が特徴の噴水は三代目で、大阪市の姉妹都市であるミラノ市の彫刻家が設計に関わっている。
噴水の撤去は地下街の全面改装のため。梅田地下街は築60年近く、幾度も増改築を繰り返してきた。今回の改装も大規模なものになるといい、永年親しまれてきた噴水もこれに合わせて撤去されることとなったという。
梅田の地下街といえば「梅田ダンジョン」と呼ばれるほど複雑であり、一度では覚えられない複雑な構造が特徴であった。そのため、噴水は「ダンジョンのセーブポイント」と呼ばれることもあり、また「心霊現象」などの都市伝説もあった。それだけ大阪市民に親しまれてきた噴水であったがゆえ、撤去を惜しむ声は非常に多い。改装・撤去工事は2019年中に開始され、旧・噴水の周辺は新たな飲食店街へと生まれ変わるという。
現在、梅田地下街「ホワイティうめだ」では「泉の広場で最後にしたいこと」を募集中だ。応募方法は、ホワイティうめだのSNSアカウントをフォローしハッシュタグ「#泉の広場で最後にしたいこと」をつけてSNSへ投稿するか、ホワイティうめだ内に設置された応募箱に投函するだけ。応募の締め切りは1月31日まで。
きっと最後くらいはどんな無茶ぶりでも許してくれるはず(実現するかは別だが)。ぜひ「泉の広場」での最後の思い出づくりに参加してみよう。
「梅田ダンジョン」改装で消える”泉”
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