メキシコ・パイプライン火災の根底にある「貧困」問題

犯罪組織の資金源にもなっている「盗油」

 カルテルや暴力組織がパイプラインや精油所から石油を窃盗するのはもう18年前から行われていた。最近のこの窃盗規模は市場で見かけるタンクローリー車の600台分に相当する量が日毎に盗まれたいるというのである。それはPEMEXの石油生産量の10%に相当するという量だという。  昨年はその損失は金額にして663億ペソ(3700億円)になるそうだ。(参照:「BBC」)  今回、事件のおきたイダルゴ州は2017年は1064回パイプラインが違法に抜け口が設けられ、昨年はその数は1726回だったそうだ。(参照:「El Pais」  この事態を重く見た昨年12月に大統領に就任したアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(アムロ)は、彼らによる窃盗を撲滅させるべく全国のPEMEXの精油所や貯蔵タンクなどに4000人余りの軍隊を派遣して監視を強化させた。また、これまでのパイプラインを通しての石油を廃止して、タンクローリ車による輸送に切り替えることを決めて、手始めに500台のタンクローリ車の購入を決定した。  そのため、作動していたパイプラインの一部の使用を昨年12月23日から中止させていた。その影響で1月上旬から全国レベルでガソリンスタンドでガソリンや軽油の供給不足が発生したのである。その影響で、全国でガソリンスタンドの前に給油待ちの車の長蛇の列ができるという現象が起きてそれがニュースにもなった。  今回の事件のパイプラインも封鎖させていたが、全国レベルでのガソリン不足から今月16日から再び輸送を再開させていた。
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背景の貧困問題解消を目指すアムロ政権
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