「借金なし、自己資金なし」「物件を自ら購入しない」常識を超えた不動産投資法とは?

シンクbefore

リフォーム前のシンクの状況。専門の業者に外注するような大掛かりなリフォームは稀とのこと。「作業自体、コツさえ摑めば本当に誰でもできるレベルの作業で十分なんです」

物件をタダでもらって家賃収入を得る方法も

 さらに村上氏の投資法は、近年ますます進化しているそうだ。 「『無料物件ゲット』と私が名付けている不動産投資法なのですが、その名のとおり、物件の所有権をタダでもらうというものです。この方法を使えば、家賃収入はもちろん、従来の方法では得られなかった売却益も将来的には得られるようになります」  他人が所有していた物件をタダで手に入れ、それを転売して利益を得る。ずいぶんと虫がいい話にも聞こえるが、もともとの物件のオーナーからも感謝をされているという。 「不動産を所有していると、維持費がかかりますよね。空き家のまま使わずに放置していても、固定資産税や修繕費がかかりますし、借地物件の場合は地代も必要です。古い建物を放置していると、近隣から『地震のときに危ない』と苦情がくることもあるので、そうした空き家は、オーナーにとってはタダでもいいから引き取ってほしいものなんですよ。実際、私が引き取ると、『喉の奥のつっかえが取れた』とお礼を言われることも少なくありません。時には私が数十万円程度のお金をもらって引き取ることもあるので、初期コストが0円未満というケースもあるくらいです」  こうした独自の不動産投資法により、極めて低リスクで毎月定期的な収益を得ている村上氏だが、自身の経験を振り返り、不動産投資を成功させる秘訣は、「地道な努力を積み重ねる以外にはない」と強調する。 「私の不動産投資法は始めれば、すぐに大儲けできるようなものではありません。最初の物件を見つけてから家賃を得るまでに、リフォームや入居者探しで少なくとも3か月はかかります。それで得られる家賃は数万円ですから、『3か月かけて、たった数万円?』と諦めてしまう人も少なくありません。でも、諦めずに1、2年続ければ、自然と収入は増えていくものですし、給料と同じくらいの定期収入は手に入りますから、ぜひ忍耐強く続けていただきたいですね」  格安不動産投資デビューの成否を分かつのは、元手ではなく軌道に乗るまで踏ん張る忍耐なのだ。 《村上氏の儲ける技術》 1 空き家を探す 2 オーナーと交渉 3 リフォームと入居者募集を開始 4 入居者を決定 5 オーナーと家賃を分けあう 所要期間の目安はおおよそ2~3か月ほど。それまで負担でしかなかった空き家が価値を生む金融資産に化け、その利益をシェアできる
村上祐章氏

村上祐章氏

【村上祐章氏】 廃墟不動産投資家。’77年、京都府生まれ。30歳のときに「空き家を何とか有効活用できないか?」との思いで、廃墟不動産投資を考案、事業を拡大していく。著書に『常識破りの「空き家不動産」投資術』(ビジネス社)がある 取材・文/小林義崇 ― [100万以下の不動産]で儲ける技術 ―
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