会社に入って間もないころは、自分のなかにこの「誘因」と「動因」が明確にあったはずだ。
それが、時間の経過とともに、「誘因」と「動因」がズレ始める。よくある例が、以下のものだ。
入社当初は出世して高い年収をもらうことが目的だったはずが、目の前に見えるのは仕事の山。いつのまにか、達成したいゴールが「仕事の山を片付ける」になってしまっているのだ。
これは「誘因」がズレてしまっている状態であり、「お金儲けをしたい!」という「動因」とミスマッチを起こしている。それによって、モチベーションが下がってしまうのだ。
正しい「誘因」と「動因」が組み合わさることで、モチベーションは高まるのだが、どちらかがズレてしまうと、モチベーションはむしろ下がってしまう。
そうやって目的を見失ったときに、モチベーションが下がり「あれ、自分は何をしたかったんだっけ?」という疑問が生まれ転職活動を検討し始めるというわけだ。
「動因」は人によって様々なので、「給料アップ!」「ボーナスアップ!」のような「お金」という「誘因」を設定すれば誰でもモチベーションを上げれるわけではない。
最近は、「お金より定時帰宅」という可処分所得よりも可処分時間を優先する社会人も存在しているし、出世や名誉を求める社会人だっている。
仮に社員のモチベーションを高める必要があるならば、金銭的報酬だけでなく社員が複数の選択肢から選択できるような「誘因」を設定するほうが効果的だろう。