電子カルテ化が遅れる日本では、メディカル・データ・ビジョンが成長する伸び代はまだ多く、事実上、ひとり勝ち状態!?
次に櫻井氏が推奨するのは、社会保障費の増加が国家財政を圧迫する一因となっている医療分野の銘柄だという。
「カルテの電子化を手掛けるメディカル・データ・ビジョンも注目です。実は、どの薬をどの病院でどれだけ投与しているか、というデータはほとんどない。そんななか、医療データのネットワーク化の先頭を走っている。面白い話があって、ある病院で乳がんの制がん剤の使用が急増していたが、この病院は消化器系のがんに効くからと、乳がんではない患者に投与していた。製薬会社も知らなかったその事実を、同社が明らかにしたのです。昨年の段階で同社が所有する投薬データは国民の7分の1程度だった。それが今や、5分の1と急伸している。ビッグデータを持つ強みもさることながら、カルテが電子化されれば医療費の抑制や医療現場の効率化に繋がる。また、同社の技術を導入した病院では、診察後に料金をキャッシュレスで会計し、長時間待たずとも済むようになった」
政府が推進する第4次産業革命技術の利用は、広範なセクターに及ぶ。だが、メーカーがソフトウェアを上手く利用しているとは限らない……。
「ソフトウェアのエンジニアは、モノづくりの技術者とあまり相性がよくないので、モノづくりの会社にはソフト屋がいないも同然なのです。ところが現在では、自動車をはじめ多くの製品にソフトウェアを組み込む必要がある。エクスモーションはその際の品質改善のコンサルタントに長けたプロ集団で、“ソフトウェア版の弁護士ファーム”を自称しているくらいです」