投資市場を見る視野が広がるという点も先物取引の魅力だ。
「為替の話をするときに、いろんな通貨ペアがあるなか、ユーロの動きしか見ないという人もいます。しかし、先物取引では、株も為替も商品の動きに関わってきますし、政局や天候までいろいろな要素が含まれる。幅広い分野の情報が重要となるので、それらを集めることで単純に“物知り”になっていきますよね(笑)」
たとえば原油価格と為替の連動性を学べば、その知識は株やFXでの投資にも生かすことができる。ほかの投資との相乗効果も期待できるのだ。
「株投資をやるときは金融業績が根幹となるので、当然それは注視しますよね? しかし、それとは関係ないときに株価が上下することもある。『国際市場の影響を受けている』と言うのは簡単ですが、その背景はいったいなんなのか掘り下げようと思うと、もう少し視野を広く持たなければいけません。そういった意味でも先物取引は面白いですよ」
では、初心者が先物取引を始めるとしたら、どういった商品がオススメなのか?
「流動性や値段のつき方のわかりやすさ、情報収集の手段を考えると、金と原油がいいかもしれません。先物取引は現物を扱っている業者のほうが情報量は多くなるもの。金と原油であれば、一般人でもある程度情報を集めることができますから」
幅広い知識が必要とされる先物取引。まずはこの2商品から始めてみるのがよさそうだ。
最後に、先物取引を行ううえで、’19年はどういったところを注意すればいいのだろう?
「先物取引は国際政治を見ないとできないので、なかなか難しいです。特に米中貿易戦争の問題は我々が考えてる以上に根が深いですね。’19年は問題がさらに浮き彫りになると思います。そうなると投資をするのに腰が引けてしまう方もいるかもしれません。しかし、逆に言えば知識やノウハウを持った投資家からするとチャンスは増えます。国際政治をしっかり分析している人の意見を仰ぐなど、積極的に情報を集めることが大事になりますね」
投資の幅を広げたい玄人投資家や、一攫千金を狙いたい豪腕投資家は、ぜひ商品先物取引にチャレンジしてみるべし。
江守 哲氏
【江守 哲氏】
エモリキャピタルマネジメント代表取締役。ヘッジファンドを中心に、資産運用や株式、コモディティ市場の情報提供などを行う
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