日本国の機能不全と労働者の軽視。臨時国会における入管法改正の審議を振り返る

技能実習生の人権を訴える野党議員に飛ぶ自民党議員の野次

”今、警察に言ったらいいよというやじが自民党からありました。しかし、こういう状況が放置されているんです、残念ながら。一人や二人じゃなくて、ここにそのような現状が詰まっているんです。  これは個別の問題じゃなくて、構造的な、技能実習制度のはらむ問題なんです。そのような問題を放置して、警察に任せとかいろいろおっしゃいますけれども、その元締めは国会じゃないですか。しっかりと外国人の人権を守る最終責任は国会が持たないとだめなんじゃないですか。それが立法府の務めじゃないですか。そんな簡単に警察に言えと言って、警察に言っても状況がよくならないからこういう現状に今残念ながらなっているわけであります。  話を続けますが……(発言する者あり)その方々を助けましょうとおっしゃったから、そうなんですよ、みんなで一緒に助けようじゃないですか、こういう困っている方々を。与党も野党も関係ありません。日本が好きで日本に来た労働者の方々を一緒に助けて、救おうじゃないですか。そういう話を私はしているんです。” 平成30年11月27日 衆議院本会議 山井和則議員  11月27日の衆院本会議、山下法務大臣解任決議案への賛成討論として、山井和則議員はこのように訴えた。議場にはたくさんのやじが飛んだ。 “私も、原稿を読みながら、余りにも自民党の方々のやじのレベルの低さに本当にびっくり仰天をしております。採決しようとおっしゃっているのは与党なんですよね。今から審議に入るんじゃないんですよ。私たちは審議をやり直そうとしているんですからね。”  山井議員は最後にこう締めくくっている。 “国際的に奴隷労働とさえ批判されている制度は許されません。海外の有能な労働者に、日本はこのままでは選ばれません。  そんな差別を固定化し拡大する法案を法務大臣が推進するのは、辞任に値します。一番悪いのは、この法案を主導し、山下大臣を任命した安倍総理大臣であります。  日本を、世界一人を大切にする国にしようではありませんか。私たち、愛する国日本を、外国人から世界一愛される国にしようではありませんか。”
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賛成討論すらない国会の異常さ
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