日本国の機能不全と労働者の軽視。臨時国会における入管法改正の審議を振り返る

「臭いものに蓋」の国会

 今国会では、いわゆる技能実習制度に関して、実習生の様々な劣悪な環境が明らかになっていた。  更に問題となったのは、政府が技能実習生の個票を開示せず、また開示した後も、なぜかコピー不可という不可解な対応をしていたことだ。  このため、わざわざ現職の衆議院議員が手書きで個票をコピーすることを強いられた。 “技能実習生失踪者に対する調査個票。失踪というより最低賃金以下で働かされ緊急避難している実態も。法案審議に必須の資料を与党はコピーさせないという暴挙。認めたのは野党国会議員本人の手書きの書き写し。時間稼ぎ以外の何物でもない。そんなに法案の中身に触れられるのが恐いのか。” 岡本あき子議員2018年12月1日のTweet “まだ最賃以下、暴力などの理由で緊急避難「失踪した」外国人技能実習生の聴取個票を書き写している 衆議院日本共産党は藤野議員、今日は笠井政策委員長、田村貴議員、畑野議員、本村伸子が書き写し 立憲、国民、無所属の会の議員も 与党の嫌がらせとしか思えない ※プライバシーは黒塗りされている” もとむら伸子議員の2018年11月30日のTweet “失踪した技能実習生からの聞き取り調査の個票を閲覧、書き写しを2時間、23人で時間切れ、打ち合わせへ。ベトナム、中国、インドネシアの若者たちの苦悩が伝わってくる。多くが「低賃金」を理由に失踪。来日までの日本語教育は3か月が多く、失踪までに2か月というケースもある。130時間労働など異常だ。” 有田芳生議員の2018年11月22日のTweet  これらも含め、この間の政府の対応は、極めてクローズドで、透明性を欠いたものだったことは指摘をしておきたい。
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技能実習生の人権を訴える野党議員に飛ぶ自民党議員の野次
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