バイトの制服で本業に出社…無理して副業な人々の苦悩の日々

自店の経営がうまくいかず、同業他店でアルバイト

本業 喫茶店経営 月収8万円/バイト 喫茶店バイト 月収3万円  地方の繁華街で喫茶店を経営して22年の田川正一さん(仮名・44歳)。だが経営が芳しくなく、10年前からなんと同業である他の喫茶店でアルバイトをしている。  手伝うのはランチタイムで、時折ヘルプで声がかかる。 「たまにしか入らないので、他のバイトから『誰やこいつ?』という視線を感じます。それでも働けば確実にお金をもらえるのでありがたい。自分の店だと客が入らなければ売り上げはゼロですから」  経営している喫茶店はバー形式で深夜まで営業しているため、ランチタイムは普段寝ている時間帯。睡眠時間を削って働くため、バイトが集中したときは寝坊してタクシー代がかかってしまったり、寝過ごして自分の店の開店が遅れてしまったこともあるらしい。 「悪循環で、ジリ貧です。今思えば店を畳んで転職すればよかった。でも撤退にもお金がかかりますし、バイトすればどうにかなると思っていました。でも、ただの延命措置でしかありませんでした」  自分の喫茶店は相変わらず閑散としている。経営改善策を練るのが急務だが、疲労でそれもままならず今後どうするか目途は立っていないという。まさに無間地獄だ。 取材・文/HBO取材班 イラスト/ぷちめい ― [中年会社員のバイト]残酷物語 ―
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