バイトの制服で本業に出社…無理して副業な人々の苦悩の日々

「複業」が叫ばれ収入形態を複数持つことを推奨される昨今。その名のとおり、会社員をやりつつアルバイトに身をやつす人々も……。まさに「働き方改革」の裏街道に横たわる阿鼻叫喚を聞け! 今回は無理をしてバイトに勤しむ人々の話を聞いた。
イラスト/ぷちめい

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ブランド品欲しさに、深夜の交通整理員バイト

本業 経理 月収25万円/バイト 深夜の交通整理 月収15万円  IT企業で経理を担当する芦田利恵さん(仮名・29歳)は、激務のストレスから高級ブランド品を買い漁るようになった。 「一日に一つ買わないと気が済まなくなり、ついにカードローンで首が回らなくなったんです」  当初は深夜の警備員を始めたが、同じ警備会社が請け負う、道路工事の交通整理員のほうが効率よく稼げることに気づいた。 「大抵は規定時間より早く終わるので、時給換算すると3000円以上になるんです」  元来ショートスリーパーであるうえ、女性ということで現場で可愛がられたため、仕事に辛さは感じなかったという芦田さん。だが、疲労は確実に蓄積していった。 「警備会社の上着で本業のほうに出社してしまった。社内では『どこで拾ったんだ!』と笑われて済んだのですが、焦りましたね」  現在は健康に気を使いながら、より一層精を出しているという。
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バイトに選んだのはまさかの同業
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