企業研修の監視は逆効果。参加者に混じれば一石二鳥

 企業内研修にはさまざまな定説がある。しかし、実は研修の実施方法によっては、その定説どおりに実施すると効果が出ないどころか、逆効果になってしまう場合がある。

現場に立ち会うより、事前チェックを入念に

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 企業研修の定説には、以前紹介したとおり、「同じ階層、同じ職種の人を対象に実施したほうがよい」といったものや、反対に「研修のグループは職務や経歴などがバラツクように組んだほうがよい」というものもある。  職務や経歴などがバラツクようにグループを組むことについて、「仲よし同士で一緒に座って私語をしてしまうことなどを避けるためだ」と言う人がいる。このような、いわば参加者に対して性悪説をとる定説は実に多い。  そのひとつが、研修主催部門が会場の後ろで監督しなければならないという定説だ。たいていの研修で、後ろに研修主催部門のスタッフや、責任者である役員や部長がデンと座って監督している。はたして、これは研修効果を上げることに役立つだろうか?  なかには「研修中に参加者からの問い合わせがあったり、資料の不足、講師から何か依頼があったときのために、スタッフが同席するのは当たりまえだろう」と答える人もいる。  しかし、考えてみれば資料の不足がないかどうかや、講師からの依頼があるかは、事前に十分に準備して講師と打ち合わせしておけば済むことだ。  そもそも、研修中に資料が足りなかったり、講師から何か依頼があるということは、準備や打ち合わせ不足である。参加者にとって失礼なことだと言われても否定できない。  参加者が研修中に問い合わせなければならないことが起きたのであれば、それは講師に訊ねたり、別室にいるスタッフに出向くか電話やメールをしなければならない緊急事態だろう。
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監視するよりも主催者・講師のスキルを磨け!
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