「IT重説」普及により、海外投資家の不動産買い占めが加速する!?

東京五輪後は価値が下落するどころか、手続きの簡素化により海外投資家の爆買いは続く可能性もあるという

 東京の不動産価格は高いというイメージがあるのではないでしょうか?  実は、東京をはじめとする日本の不動産価格は世界的の主要都市の中でも割安感があるのです。  アメリカの調査会社デモグラフィア社の2018年版「世界で最も住宅市場が高い都市ランキング」を参考にみていきましょう。  各都市の世帯収入に対する不動産価格の倍率をリスト化した「世界で最も住宅市場が高い都市ランキング」では、1位の香港が19.4倍であるのに対し、東京・横浜は33位の4.8倍と、世界市場から見た日本の不動産の手頃さが顕著に表れております。  更に、アジア諸国では中間層世帯の増加が著しく、今後アジアの中間層による日本の不動産需要の拡大も期待されています。
図1

<出典:アメリカの調査会社デモグラフィア社の2018年版「世界で最も住宅市場が高い都市ランキング」>

 東京の不動産市場が世界の主要都市の中でいかに手頃か、むしろ割安かということがよくわかる数値です。  オーストラリアなどは、中国資本により不動産が高騰しているとも報じられています。日本でも中国人の湾岸エリアのタワーマンションの爆買いがよく知られています。  なぜ、そうなっているのか。  これまで不動産の売買や賃貸借など不動産取引時の契約を行う際、現:宅地建物取引士<旧:宅地建物取引業者(略称:宅建業者)>は、取引の相手方や当事者に対して、資格保有者であることを明示して契約に関する重要な事柄の説明を行う義務が課されていました。  この説明書のことを重要事項説明書といい、説明する行為もあわせて、「重説(じゅうせつ)」と呼ばれていました。1971年の宅地建物取引業法改正以降、重要事項説明は「対面」で行う義務がありました。  ここに、大きな変革がもたらされているのです。ITを活用した重要事項説明、「IT重説」による賃貸取引の本格運用です。
次のページ 
「IT重説」の本格運用は不動産業界を変える!?
1
2
3