米中貿易戦争の余波を受ける「豪ドル」で勝てると話題の手法とは?
2018.12.27
英国でのBrexit(英国のEU離脱)が山場を迎え、欧州通貨が大荒れだった’18年。その一方で、米ドル/円は、変動幅が過去10年間で最低を記録。難解なチャートを前に、思うようなトレードができなかった人も多かったはず。中国経済の影響を強く受けている豪ドル、今年大暴落したトルコリラや新興国通貨も、動向を予想していなければ太刀打ちすることは難しいだろう。
そこで、各通貨の専門家&スゴ腕トレーダーが、’19年の戦略を一から解説。波乱の相場を乗り切る【FXの勝ち方】を、頭にたたき込もう。
「米中貿易戦争の影響で、値下がりが目に見えているのは豪ドルです。資源国として、中国産業に支えられてきましたが、中国経済の減速とともに、豪ドル売りも加速していくでしょう」
こう語るのは、シティバンクでチーフディーラーを務めた西原宏一氏だ。力強い中国の経済成長に支えられ続けていた豪ドルは、米中貿易戦争の煽りを受け、’18年の通貨別対米ドルではスウェーデンクローナに次ぐ2位の下落率を記録している。
「対米ドルで見れば、’18年頭から豪ドルは7.47%下落しており、年間でほとんど動いていない日本円と比べれば、米中貿易戦争の影響が大きく出ています」
また、米国が利上げをすると、資源国通貨である豪ドルは売られる。’18年は米国が利上げを続けたことも豪ドル下落の大きな要因の1つだ。
「FOMCの政策金利引き上げは、12月も継続が濃厚です。’18年はトルコリラが一番打撃を受けましたが、新興国通貨や資源国通貨は売りが加速し続けました。ただ、個人的にはFOMの利上げサイクルは早晩終焉を迎えると想定しているため、’19年は豪ドルが大きく上向く(米ドル安)可能性はあります」
しかし、豪ドルが下がる可能性のほうが高く、その要因はほかにもある。
「’18年は豪州政権が不安定で、ターンブル元首相が与党内の問題で選挙に負け交代。8月にモリソンを首相とした内閣が発足しましたが、与党の求心力は衰え、現政権の基盤も脆弱です。この豪州の政治懸念も、豪ドル売りを加速させています。また、これまで移民を受け入れ続けて来た豪州ですが、物価・住宅価格の上昇を受けて国民が不満を抱き、移民が制限される可能性があります。そうなれば豪州経済が減速する可能性があるので、それも踏まえて、豪ドルは売られ続けるでしょう」
動きは読めるが高金利な豪ドルは安全策で勝負!
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