重要選挙ラッシュで2019はEU波乱の年か。ユーロの動きはどうなる?
2018.12.22
英国でのBrexit(英国のEU離脱)が山場を迎え、欧州通貨が大荒れだった’18年。その一方で、米ドル/円は、変動幅が過去10年間で最低を記録。難解なチャートを前に、思うようなトレードができなかった人も多かったはず。中国経済の影響を強く受けている豪ドル、今年大暴落したトルコリラや新興国通貨も、動向を予想していなければ太刀打ちすることは難しいだろう。
そこで、各通貨の専門家&スゴ腕トレーダーが、’19年の戦略を一から解説。波乱の相場を乗り切る【FXの勝ち方】を、頭にたたき込もう。
「’19年はEU(欧州連合)にとって波乱の1年になるかもしれません。何しろ選挙が多いんです」
と解説してくれたのはロンドン在住の為替ディーラー・松崎美子氏だ。その日程を見てみると、確かに数が多い。
《欧州2019主なイベント日程》
~選挙と人事で2019年の欧州は波乱含み!~
●3月 英国、EUを正式離脱……「合意なき離脱」で決着した場合には3月29日に英国はEUの関税同盟から外れるが、合意が得られた場合には2020年までの”離脱移行期間”が与えられる⇒「合意なき」ならユーロの売り材料に!?
●3月 エストニア総選挙
●4月 フィンランド総選挙
●5月 欧州議会選挙……最大派閥である中道右派・欧州人民党(EPP)に対して、右派ポピュリストやナショナリストと手を組んで急成長している「欧州保守改革」がどれだけ議席を伸ばすかに注目。極右勢力が台頭すればEU分裂含みに
●5月 タヤーニ欧州議会議長退任
●5月 ベルギー総選挙
●6月 デンマーク総選挙
●10月 ギリシャ総選挙……世論調査では与党・急進左派連合(SYRIZA)に対して保守系最大野党の新民主主義党(ND)が10ポイント近くリード。「反緊縮財政」の声が高まると再びギリシャ・ショックのリスクが浮上する可能性も
●10月 ポルトガル総選挙……共産党を含む3つの極左政党の支持を受けた少数与党・社会党による現政権下で着実に景気回復。左派勢力の拡大が予想される
●10月 ドラギECB総裁退任
●10月 ユンケル欧州委員長退任
●10-11月 ポーランド総選挙
●10-11月 トゥスクEU大統領退任
しかし、欧州の大国であるドイツやフランス、スペインの名前はないし、騒ぐ必要はないのではとも感じるが……。
「とんでもない。まず、5月には欧州議会選挙があります。EUの立法権を保有する重要な機関です。ここで懸念されるのは極右政党の台頭。トランプ米大統領の側近で過激な保守論客としても知られるスティーブ・バノン元ホワイトハウス首席戦略官はベルギーに拠点を移し、欧州右派勢力の糾合を目指して動いています。フランスの極右政党『国民戦線』を率いるルペンやイタリアのサルビーニ副首相などと精力的に面会しているようです」
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