こうして講習会は無事終了。思わず汗をかいてしまった筆者だが、タンデム自転車の奥深さを体感できたことは貴重な経験になった。目の不自由な人や高齢者と乗るときはもちろん、家族やカップルで楽しむときも、こういった基本的な操縦法や気遣いの重要性を知っておくべきことは間違いないだろう。
「子供と一緒に自転車に乗る機会ができてよかったです。普段、子供の後ろに乗ることはないので、どういう運転をしているのか、肌で感じることができました」(ユキオさん)
「楽しかったのと、怖かったのと……。目が見えない人はこんな感じなんだなとわかってよかったです」(リョウくん)
「気遣いがないと乗れないので、知らない人とも気遣いあえるのが楽しいです」(マユミさん)
このように、参加者も各々の収穫があったタンデム自転車の講習会。タンデム自転車はパラリンピックの正式種目にもなっているそうで、五輪に向けてスポーツファンも注目してみる価値があるだろう。
ヨーロッパでは夫婦での利用者が多いそうで、日本でも公道で走れる都道府県が増えていけば、地方活性化のカギにもなりそうだ。
無限の可能性を秘めたタンデム自転車、こういった講習を受けて、チャレンジしてみてはいかがだろう?
<取材・文・撮影/林 泰人(本誌)>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン