宇和島市は宇和島藩の城下町で、南予の物流、交通、行政の中核です。内航海運の拠点であり、宇和島鉄道が1914年(大正3年)に開業し、南予の鉄道ターミナルとして発展した宇和島駅に隣接した機関区として発祥しています。
蒸気機関車時代、国鉄時代は、南予の鉄道拠点として車両配置がありましたが、現在は車両配置がなくなり、修理点検などは行われていないようです。
宇和島運転区には、宇和島機関区時代の設備が現存しており、90年台に全国で一挙に解体が進んだ蒸気機関車時代の産業遺構を多く残すため、一見の価値があります。
また、JR四国の誇る自社改造の「新幹線車両」を予土線で運用中です。
鉄道の日は鉄道開業記念日である10月14日ですが、宇和島では今年は11月4日に協賛行事が行われました。巨大レンズの立派なカメラを装備した人たちが、首から名札をぶら下げていましたが、どうも団体客のようです。帰宅後調べてみたら、やっていました……。
・募集型企画旅行「振り子式 2000 系貸切列車で行く宇和島地区鉄道ふれあい祭り」の発売について 平成 30 年 9 月 21 日 JR四国
・振り子式2000系貸切列車で行く宇和島地区鉄道ふれあい祭り 発売!2018.09.22 鉄道チャンネル
最近JR四国は、鉄道趣味列車の企画が多いです。もちろん、車両は古めの2000系で、オンボロ(風光明媚)な海回りです。昼食が宇和島駅併設のクレメント宇和島ということで、なかなか良さげです。せっかく海回りを走るのですから、「伊予灘ものがたり」のように車内での供食をすれば良いとも思います。
私は、13時前に宇和島駅3番線からシャトル列車に乗りましたが、やはりキハ32-10です。レールバスに近い、国鉄からの手切れ金車両です。運転区は目の前にあります。宇和島駅構内扱いなので、往復で1枚の入場券で乗車できますが、運転区での降車時に検札があります。出発前に手旗信号員が同乗します。
降車してみると、高知、多度津の一般公開とずいぶん雰囲気が違います。とにかく規模が小さいの一言です。そして、住宅地に隣接しているせいか、小さな子供がとても多いです。まさに地域密着の行事です。しかし、小さい規模の割に見どころはあります。
お昼ご飯時なのでお客は少なめです。テントが借り物……2018/11/4撮影
お昼ご飯時のためにお客さんは少なめです。ウィリーウィンキー(国鉄四国以来のJR四国グループ会社)のパンを構内で買うつもりだったのですが、出店していません。うどん屋も来ていません。ポップコーンしかありません。ウィリーウィンキー宇和島店は昨年休業しており、そのため出店がないようです。宇和島駅でなにか買ってきたほうが良いです。
鉄道廃品販売は、とても規模が小さく、懐中時計、サボのレプリカ、スタフくらいしか売っていません。やはり私は、高知運転所の瘴気に中毒のようです。ほかは一般向けの(健全な)グッズ販売が3店舗のほか、定番の金魚すくいやプラレールコーナーがあります。屋内展示が好ましいNゲージレイアウトも屋外展示です。
屋内でなく、地べたにマットを敷いてプラレールコーナーというのは珍しいです。子どもは大喜び。2018/11/4撮影
金魚すくいも定番です。閉会時には金魚は狩りつくされていました。2018/11/4撮影
宇和島運転区は、一般公開の際にお客さんに入ってもらえる建屋がないためにすべての展示や模擬店は、屋外のテントで行われます。テントはIPU 環太平洋大学短期大学部からの借り物です。まさに地域密着イベントです。
これも定番のNゲージレイアウトですが、なんと屋外展示です。精密機器なので、屋内が好ましいのですが仕方ないようです。車両は職員ご自慢の私物のはずです。2018/11/4撮影
休憩所は留置してある特急車両を用い、トイレは流石に建屋のものを使っています。
かなり疲れたので休憩所を探していたら、キハ185系二両が休憩所でした。宇和島運転区には、お客さんを入れられる建屋がないのです。2018/11/4撮影