日本の大企業が韓国人学生の青田買いを開始。「中核外国人材」に脚光

「2018日本海外就業博覧会」

「2018日本海外就業博覧会」の様子 (MBCのYouTubeチャンネルより)

 法務省によれば、日本で働く外国人の数は、昨年末時点で約128万人に達し、統計を取り始めて過去最高の記録となった。少子高齢化で生産年齢人口が激減している日本にとって、外国人労働者は「金の卵」である。  国会では外国人労働者の受け入れを拡大する入国管理法の改正案に対し与野党での論戦が繰り広げられているが、外国人材の中でも特に注目されているのが、「中核外国人材」と呼ばれる層だ。 「中核外国人材」とは、いわゆる高度人材と単純労働者の中間に位置する層のことである。高度な専門性は持たないが、一定のコミュニケーション能力や事務能力を持った外国人労働者だ。  その「中核外国人材」に最も適していると言われているのが韓国人である。他国に比べて日本語習得スピードも速く、文化的にも日本と近いので、日本にとって受け入れやすい人材と言われている。韓国では最近、青年失業率が過去最悪となり、国外へ移住する若者も増えている。日本は人手不足、韓国は働き口が無いという事もあり、人材の流入が一方通行になっている。  11月5日、韓国の釜山にあるベクスコ第二展示場(3200㎡・1000坪)には112の日本企業が設けた採用ブースがひしめき合っていた。  会場にはリクルートスーツ姿の1000名を超える韓国の若者たちが全国各地から集まってきた。  この日のイベントは就職難にあえぐ韓国の若者たちのために、韓国政府が、日本企業に呼びかけて開催された「2018日本海外就業博覧会」である。釜山に続き7日にはソウルでも開催された。日本への就職イベントの中では最大規模である。  この二カ所のイベントで韓国の若者たち約700人を引き抜こうというのが日本企業の目標である。そのために6200件のエントリーを受け、事前書類審査で2500件まで絞っていった。  この日の博覧会では隣国である韓国と日本の経済がどれほど対照的なのかが明白となった。  韓国では大企業も契約期間1年以上の常用労働者を減らしているのに、日本はソフトバンク・日産自動車・全日空(ANA)などの超優良企業が韓国人を雇用したいと今回の博覧会に大挙として押し寄せてきた。LCDガラスの世界シェア20%の日本電気硝子、日本3大テーマパークの1つハウステンボスも来た。  大韓貿易投資振興公社(KOTRA)のグローバル雇用室のチョン・ヒョク室長は「昨年までは世界各国の企業を集め就業博覧会を開催したが、今年は日本企業が良質な仕事をたくさん提案して来たので『日本単独』開催となった」と言った。
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日本のIT企業「韓国の学生は優秀」
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