地下アイドルの「労働」、法的にはここが問題

悪用される業務委託契約

 こうしたアイドル側に不利な報酬体系や退職規定のベースに存在するのが、業務委託契約だ。 「『事務所からタレントへ専属的な芸能活動を委託する』という体の契約になっていますが、雇用契約よりも法律の縛りが弱く、都合よく働かせるための抜け道として使われている。しかし、事務所とアイドルの間に指揮命令関係や労働上の拘束が存在し、勤務実態として『労働者である』と認められれば、それをくつがえし労働者の権利を主張することは可能です」  搾取だけでは、アイドルも業界もすり減る一方だ。双方にとってフェアな報酬分配が、業界の発展に不可欠ではないだろうか。 【深井剛志氏】 旬報法律事務所所属弁護士。不当解雇や残業代未払いなど、労働問題を多数手がけている 取材・文/野中ツトム・福田晃広・布施翔悟・沼澤典史・松嶋千春(清談社) ― 地下アイドル[やりがい搾取]の実態 ―
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