米、風疹激増の日本へ妊婦の渡航自粛を要請。渡航警戒レベルをエボラ出血熱と同等に
国立感染症研究所の発表によれば、2018年に入ってからの感染者数が1486人にのぼり、すでに2017年の15倍以上になっている。10月21日までの1週間で風疹に感染した人は、首都圏を中心に174人。
感染者が多いのは30~50歳、とりわけ男性が多い。風疹はくしゃみや咳などのしぶきでうつる。感染力はインフルエンザの比ではないほど強い。風疹はウイルス性で潜伏期間は2~3週間。発熱や発疹、リンパ節の腫れが主な症状として出る。
なぜ30~50歳の男性が多いのか。世田谷区で小児科・内科・呼吸器内科を専門として風疹患者も扱う開業医の院長が語る。
「30~50歳は風疹ワクチンを打っていない可能性がある。実をいうと、これらの世代の前に風疹を含む混合ワクチンで副作用のようなものが出て、忌避されてしまったのです。
まずは、母子手帳を見る必要があります。この世代はワクチンを打っていないか、打っていたとしても1回しか打っていない。風疹にかからないためには、複数回打つ必要があります。30~50歳は風疹の抗体を持っていないか、持っていたとしても、ワクチンの効果がたいへんに弱まっている可能性が高い。
風疹のみの単独ワクチンは希少なため、風疹と麻疹(はしか)の混合ワクチンの接種を勧めます。ワクチン接種は税込みで8640円です。
アメリカで、キリスト教の一派アーミッシュの村で麻疹が大流行したことかあります。アメリカではほぼ根絶されているのに、アーミッシュは“反ワクチン”の思想のもとあらゆるワクチンを打たないために、麻疹に抗体がない。
だから1人がかかると、まわりの人々も次々とかかって大流行する。日本も風疹の抗体がない人が多いので、1人が感染すると次から次へと拡散していってしまう可能性がある。
だからワクチンを接種して、流行を止める必要があるのです。とりわけ注意すべきは妊婦です。妊婦が感染すると『先天性風疹症候群』という障害を持った子が生まれる可能性が高まります。妊婦さんの周りにいるご家族は、まず第一にワクチンを接種すべきです」
抗体のない30~50歳の世代に、一気に感染が広がる危険
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