モディ首相 photo by kremlin.ru(CC BY 4.0)
2014年5月にインドでモディ首相が誕生したことによって、それまでのインド外交が一変することになった。
インドの独立当初1950年代からネルー(当時)首相は米ソのどちらのブロックにも属さない中立的な外交を展開していた。その後、中国とチベット問題で紛争を起こし敗北したことによってインドは旧ソ連に接近。当時の米国はインドのライバルであるパキスタンと友好関係を結んでいた。そしてモディ首相が登場するまでインドは旧ソ連その後ロシアとの一極外交を柱にしていた。
ところが、モディ首相が現れるとインドはそれまでの旧ソ連そしてロシアとの関係を尊重しながらも、それに捉われることなくインドの発展を主眼に多極外交を展開し始めるのである。
それに乗じて米国のオバマ前大統領はインドに接近。パキスタンとの友好関係も過去のものとなっており、しかもパキスタンは中国との関係強化に努めている。米国にとって台頭する中国を牽制するにはインドを味方につけることが必要だったのである。
2015年1月にオバマがインドを訪問して以来、当時のオバマ政権下のカーター国防長官、ケリー国務長官とそれぞれインドを訪問。モディ首相も2016年6月に米国への訪問を数えてオバマと7度の首脳会談を持った。
その結果、両国の間で民生用原子力協力、グリーンエネルギー開発、武器及びそのテクノロジーの共同開発、航空母艦と戦闘機のエンジンとデザイン開発と生産などについての合意が交わされた。米国からの兵器の供給も、割引などを餌にインドに提供されることになった。(参照:「
El Pais」、「
HispanTV」)