3か月過ぎても復興進まず。平成30年豪雨被災地、肱川水系の現在

3m近い高さまで浸水した痕跡

3)野村町蔵良地区  野村町市街地を後にして、県道29号線、国道197号線を鹿野川ダムに向かいます。ところが、県道29号線は蔵良地区で通行止めになります。栗木地区で大規模な土砂崩壊が発生し、復旧見込みなしとのことです。この蔵良地区も3m近くの高さまで水に浸かっている痕跡があり、農業施設や機械類が破壊され再建中です。この一帯には、ドライブインや商店がありますが、すべて激しく被災しており、再建は遅れています。
道路規制

県道29号線荷刺(にさし)交差点を通過直後の蔵良地区で規制が敷かれる。但し、生活道路であるため更に先まで進むことは出来る。 2018/10/1撮影

植生の破壊

県道29号線蔵良地区より肱川対岸を望む。植生の破壊で増水の程度がわかる。2018/10/1撮影

窓の高さで壁が消失

県道29号線蔵良地区の農業施設。水害の為に窓の高さで壁が消失している。窓から流入した水が壁を押し流したものと考えられる。 2018/10/20撮影

4)野村町貝吹地区(大和田地区)  蔵良地区の規制線を通過して、更に先に進みますと、谷あいの地形を野村町貝吹地区(大和田地区)にさしかかります。ここの対岸には、統合により廃校、廃園となった大和田小学校、大和田幼稚園がありますが、大和田小学校と隣接する貝吹公民館は一階が水没しています。旧大和田幼稚園は現在西予市出張所として使われておりますが、5m程の高台にあり大きな被害は受けていないようです。  県道29号線と旧大和田小学校を結ぶ大和田橋は、水害の際に水没しており、欄干が大きく破損しています。大和田小学校は避難所に指定されており、防災行政無線や警報表示板がありますが、地元の方によると両施設とも水没しており、防災行政無線は豪雨の為にまったく聞こえなかった上に、被災して機能を失ったとのことでした。また、水はあっという間に上がってきて、逃げるまもなかったとのことです。
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いまだ土砂崩壊の恐れが……
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