政治への諦めを生まないための、最低限の改革策とは?<民意をデフォルメする国会5重の壁・最終回>

政党の民主化・透明化は、今すぐできる政治改革

 政党の意思決定については、その民主化と透明化がベストです。政党助成法は「組織及び運営については民主的かつ公正なものとする」(第4条2項)ことを政党に求めています。少なくとも、国会議員を出している政党は、構成員の勝手で運営していいわけではないのです。  これは、法律などの改正なく、今すぐできる政治改革です。政党の運営は、政府によるルール化や介入に馴染みにくい一方で、党員と支持者の意思だけで実行可能だからです。どこまで開かれた党運営をするかは、各党に委ねられていますが、少なくとも次の3点は実行して欲しいことです。 ●正式な意思決定の場(総務会、幹事会、政調審議会など)の記録・資料をwebで公表候補者の公認・推薦の具体的な理由と決定に至る経緯をwebで公表 ●政党本部、支部、所属議員の政治資金収支報告をエクセル化してwebで公表

与野党ともにガチの国会を

 国会については、与党事前審査を廃止し、政府・与野党が真剣勝負で議論し合うことがベストです。政府法案の作成プロセスでは、閣僚に対して与野党が意見を示すのはいいですが、それは公開され、記録に残るやり方にすべきです。与党による政府法案の修正は、国会で行えばいいのです。  しかし、政府法案を国会で修正することは、首相や大臣のメンツを潰すことになるとして、事前審査の廃止に否定的な議員も多いでしょう。鳩山由紀夫政権は事前審査を廃止しましたが、与党による国会での法案修正も認められなかったため、与党議員に不満が強まりました。事前審査の廃止と与党による法案修正はセットなのですが、先が見通しにくい国会運営は、有力議員や官僚の望むところではないでしょう。  そこで、最低限の改革案として、重要法案の審議に際して、多数の参考人を国会に呼んではどうでしょうか。たいていの審議では、3~6人程度の参考人を呼ぶにとどまりますが、30人くらい招き、議員たちが意見を聴くのです。地方の現場を視察し、そこへ参考人を招いてもいいでしょう。参考人として意見を述べる専門家を公募してもいいでしょう。多様な視点を国会にもたらし、審議の参考としてもらうのです。それだけでも、自らに近い意見が国会で取り上げられたと考える有権者が、増えるのではないでしょうか。
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選挙結果がすべてでない
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