ソウル市が学生の髪型自由化を宣言で大激論。学生の髪色・髪型への同調圧力は日韓共通!?

topic_w1 / PIXTA(ピクスタ)

 昨年10月、大阪府にある公立高校で、女子生徒が生まれつき茶色い頭髪を学校から黒く染めるように強要され、精神的苦痛を受けたとして、府に対して損害賠償を求める訴訟を起こした。この女子高生は当時、黒髪強要によって不登校にまでなったという。 「黒髪強要は人権侵害」という批判が瞬く間に広がり、学校には抗議の電話が殺到した。  メディアでは、その他の高校生が「やりすぎ校則」を暴露しあうなど、多くの議論を呼んだ。当時学校側は黒髪指導について、「茶髪の生徒がいると学校の評判が下がるから」と話した。また、「仮に金髪の留学生がいたのだとしても黒髪にさせる」との強気な発言もあった。この学校が「評判を下げまい」と黒髪にこだわり続けた結果、求めていた「評判」は得られたのだろうか。

韓国でも生徒の頭髪論争が勃発

 そして隣国・韓国。  こちらもまさに今、「校則問題」で熱い議論がなされている。  9月末、ソウル市の曺喜昖(チョ・ヒヨン)教育監(韓国でいうところの教育委員会教育長)が「染色やパーマなども含めて、髪型を生徒個人の自由として受け入れたい」とし、「ソウル市の生徒の髪型自由化」を宣言した。  さすがに「なんでもあり」というわけにはいかないが、チョ教育長は、「来年上半期(1~6月)までに、保護者や生徒の意向を聞きながら議論を進め、その学校に沿った規定を定めてほしい」と話している。  韓国では染髪やパーマはもちろん「耳から◯センチ」と、髪の長さまで指定する学校もある。従来の伝統に終止符を打つ今回の自由化宣言は、かなりふみきったものと評されている。  当然、反対の声も多い。「染色やパーマ代、いくらかかるか知ってますか?結構高いので、生徒の間で経済格差が顕著に出ます」、「髪の長さを自由にするのは賛成だけど、染色とパーマの必要性は? 不良だと勘違いされると思いませんか?」、「生徒たちが外見至上主義に偏り、勉強をおろそかにするのでは……」など、まさに「学生は学生らしく」といった主張が目立つ。  さらに、9月30日には全国の父兄団体連合が、「人様の子を陥れようとしているとしか思えない。無資格者チョ・ヒヨン教育監は、保護者にとっての敵である」と声明を発表、反発はエスカレートしている。  賛成派ももちろんいる。  そして彼らは、そもそも生徒の個性や多様性を認める風潮を「好き勝手野放し状態」と見ること自体に問題があると反論する。髪型の自由化の議論は、いまや、人権問題として、生徒の自立権の領域を論じる過程へと変わっている。
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髪型自由化批判に油を注ぐある要因
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