台風24号における鉄道の計画運休は「正解」だったのか?

計画運休は鉄道会社最後の切り札

 とはいえ、台風直撃時に列車を動かしていれば、駅での混乱がさらに拡大していたであろうことは大いに考えられる。駅間で列車が停まり、乗客がすし詰めになるケースもあり得ただろうし、それこそ負傷者が出るような事態も否定できないのだ。そう考えれば、課題はあるにせよJRをはじめ鉄道各社が計画運休に踏み切ったことは前向きに捉える必要がありそうだ。  前出のライター・B氏は言う。 「鉄道会社サイドの対応には正直限界がある。できる限り列車を走らせて、そのうえで乗客の安全も絶対に確保しなければならないわけですから。そのギリギリのラインが計画運休という方法。自然が相手なので予定通りにことが運ぶとは限りませんし、思わぬ事態も考えられます。むしろ利用する側も少し配慮したほうがいい。台風が来れば鉄道が停まるのは当たり前だし、通過したあとも影響が出るのは当然。そうしたことを事前に考えて行動すれば、月曜朝の混乱も少しは抑えられたのではないでしょうか」  たしかに、「鉄道が停まるから外出しない、会社も休みになる」「鉄道会社が運休を発表していないから出勤しよう」のような受け身の姿勢ではなく、「台風が来るということは鉄道にも影響が出るだろうからどう行動するのがベストだろうか」と考えることが、我々ひとりひとりにも必要なのだろう。  台風24号に続いて、台風25号も同じようなルートを辿る可能性があるという。相次ぐ自然災害に惑わされず、大きな被害を生み出さない備えを今から考えておきたいものである。 <取材・文/境正雄>
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