「’80年代以降のトルコリラ/円の長期チャートを見ると下落トレンド一色。上昇を経験したことがない。値ごろ感と高金利の誘惑から買いたくなりますが、本来は買ってはいけない通貨です」
今年、2度の大幅な金利引き上げでトルコリラの政策金利は17%超へ。だが、リラ安はいまだ継続中……
トルコリラ暴落には、実は日本人も関与している可能性が高い。
「見知らぬトルコ人から『トルコリラを売らないでくれ』とツイッターで言われたことがあります。金利目当ての日本人投資家が大量に買っているから、下げると損切りの売りが出てきて、下落を加速させやすい」(jaguar氏)
ジャガーさんがトルコ人に絡まれたやり取り
トルコリラ/円の国内取引量は暴落直前の7月、米ドル/円に次ぐ量に拡大していた。しかも、その95%以上が「買い」だった。
「AIやシステムトレードが多い米ドル/円やユーロ/米ドルにに比べ、トルコリラ/円は“人間くさい通貨ペア”。投資家たちの心理や資金状態の影響が出やすいんです。だから、FX会社のポジション状況は投資家の心理を探る有力な材料となります」(同)
ポジション状況を見ていると、’17年以降、日本人の建玉は膨らみ続け、しかも買いへの偏りは明白だった。下がれば大量のロスカットが発生し、さらなる下げを誘発するリスクが潜んでいたのだ。
「95%が買い」の日本人投資家――人間くさい通貨ペアであるトルコリラ/円。そのため、外為どっとコムなどで閲覧できるポジション状況などが参考になる
「下落トレンドが続く限り、どこで売っても収益になる。今回でいえば、大台の20円を割れば日本人のロスカットが発生し、ロスカットを誘発するだろうと考え、5月に24円で売りました。高金利通貨なので売りだと高いスワップ金利が取られてしまいますが、その利率よりも値動きの変動率のほうが高くなるのは目に見えていたので、それからは売り一辺倒です」(同)