そしていよいよ、次回はこの稿の最終回となります。
最終回を迎える前に、これまでの記事のアップデートをしておきます。
最近になって防衛省は、イージス・アショア配備予定地で説明会を開催しています。その際、地元に対する説明では防衛省は、「我が国を射程に収める数百発の弾道ミサイルが現実に存在している」としてイージス・アショアの設置の必要性を力説、「防譲能力の抜本的向上が図られると主張」しているとのことです。
この説明はおかしいです。「我が国を射程に収める数百発の弾道ミサイルが現実に存在している」のであれば、
たった32発のSM-3 Block Iでは護衛艦隊が全力出撃をしたとして16発しか迎撃できません。これは、セコハンで良いので、世界中のSM-3 Block I A/Bをかき集めれば少なくとも200発程度まで増やすことは出来ます。かかるお金は3000億円程度です。ところがイージス・アショアは、2か所合わせて
最大32~48発で迎撃可能数は16~24発です。さらにこれはあくまで伝聞ですが、ミサイルを買うお金が無いので4発ずつ、合計8発しかSM-3 Block II(一発40億円)を買うことが出来ないと言う噂まで流れています。もちろんこの場合は、迎撃可能数は
4発です。
防衛省によれば、「我が国を射程に収める数百発の弾道ミサイルが現実に存在している」のに、数千億円から一兆円を必要とするイージスアショアには、シミのような迎撃能力しかありません。そして、対米核抑止力を妨害するものとして、最優先の破壊工作、先制核攻撃の対象になります。
理屈以前に小学校程度の算術的に説明になっていません。この計画はおかしな代物です。私には、こんな不合理で無意味なことを行うわけがわかりません。
『コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」』第6回
※読者の皆様から頂いた質問にコロラド博士が答える
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<文/牧田寛 Twitter ID:
@BB45_Colorado photo/
USMDA via flickr(CC BY 2.0)>
まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題についてのメルマガを近日配信開始予定
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まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題について、そして2020年4月からは新型コロナウィルス・パンデミックについての
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