9月30日投開票の沖縄県知事選は「他県のこと」では済まない選挙である

あちこちに幟が乱立する公職選挙法違反について

 実は、沖縄の選挙は非常に独特です。  本当は街頭で幟を立てることは公職選挙法違反ですが、沖縄では選挙管理委員会が注意喚起をするものの、どの陣営もやっていることなので、なかなか取り締まることができず、事実上、放置された状態になっています。  「そこはルールを守って自粛するべきだろう」というのは、どちらの陣営にも言えることなのですが、ルールを守ってしまうと、ルールを守らなかった陣営だけが得をしてしまうという現象が起こるため、結果として、ルールを守るのがバカバカしい状態に陥っているのです。他のエリアだったら一発でアウトになるようなことが、沖縄ではまかり通っています。  こうした現象について 「なぜ選挙ウォッチャーのくせに指摘しないのか!」と言われるのですが、どちらかの陣営が一方的にやっていることであれば批判のしようがありますが、どの陣営もやっているとなると、どちらかの陣営だけを批判するのはアンフェアです。この問題については「全員いい加減にしろ!」ということになりますが、沖縄のカルチャーだと思うしかありません。

「ベーシックインカムおばあ」も面白い候補である

渡口初美候補

「消費税30%にして月30万円のBIを実現しよう」と主張する渡口初美候補

 今年6月の新潟県知事選では、花角英世さんと池田千賀子さんの一騎打ちに待ったをかけるように、安中聡さんが立候補し、その選挙カーなどの資金的バックアップを自民党系の支援者が出していたという噂がありましたが、今回の沖縄県知事選に立候補している他の2名は、どうやら完全独立系候補のようで、どちらかの票を削るために何らかのバックアップを受けているわけではなさそうです。  特に面白いのは「コンピューターおばあちゃん」ならぬ「ベーシックインカムおばあ」の渡口初美さん、御年83歳です。琉球料理研究家だそうですが、那覇市議をやったこともあるそうで、このたび「消費税30%にして、月30万円のベーシックインカムを実現しよう」という超絶アグレッシブな公約を掲げての立候補となっています。83歳おばあ、飽くなき挑戦。お元気で何よりです。
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安倍政権にとっても「負けられない」戦い
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