いまだ避難所暮らしの人もいる西日本豪雨災害の被災地を放置してゴルフ三昧の夏休みを楽しんだ日本の総理大臣

避難所 お盆休みも高校野球も終わり、多くのビジネスマンが通常通りのビジネスモードになっているのではないかと思いますが、皆さんは充実した夏休みを過ごせたでしょうか。「貧乏暇なし」とは言ったもので、沖縄県知事選や香川県知事選を追いかけるため、「選挙ウォッチャー」にはまったく夏休みらしい休みがないのですが、我らが日本国の総理大臣、安倍晋三先生は充実の夏休みをお過ごしになられたようです。  首相動静をチェックすると、8月15日に全国戦没者追悼式に参加した後、午後5時頃には山梨県鳴沢村の別荘に到着し、改めて日本財団の笹川陽平さんの別荘に集合し、森喜朗元首相、小泉純一郎元首相、麻生太郎副総理、加藤勝信厚労大臣、茂木敏充経済再生担当大臣、西村康稔官房副長官、萩生田光一幹事長代行、岸田文雄政調会長、日枝久フジテレビ相談役らと会食。  16日はほぼ同じメンバーで「富士桜カントリー倶楽部」でゴルフ。その日の夜はみんなで中華料理。  17日は朝はまったり過ごし、「ふじやま温泉」に入浴し、夕方は三井住友銀行上席顧問、鉄鋼ビルディング専務、森永商事社長らと炭火焼き串屋さんで会食。18日はそのメンバーで「富士ゴルフコース」でゴルフ。その夜は経団連の御手洗名誉会長、榊原前会長、北村滋内閣情報官、本田悦朗駐スイス大使らとBBQ。  19日はそのメンバーと「富士桜カントリー倶楽部」でゴルフ。夜は昭恵夫人や母の洋子さん、秘書官らを交えて居酒屋。  20日の朝はまったり過ごし、一旦、東京に戻り、日本会議が主催している「第3回アジア地方議員フォーラム日本大会」に出席し、自民党員の地方議員の皆さんにご挨拶。さらに自民党地方組織の会合向けのビデオメッセージを収録。その足で山梨県富士吉田市に戻り、大学の同窓生と焼肉屋で食事。  21日はそのメンバーで「鳴沢ゴルフ倶楽部」に行ってゴルフ。その夜は河口湖のハンバーガー屋で秘書官らとメシを食い、22日は朝をまったり過ごし、昼から「ふじやま温泉」に入浴し、トランプ大統領から電話がかかってくるため、みんなで中華料理を食ってから東京に戻り、首相公邸でトランプテレフォン待ち。トランプ大統領と1時間弱の電話会談をして久しぶりのご自宅を味わい、23日の10時30分から15分間、豪雨非常災害対策本部の会議に出席しました。被災地の対応はわずか15分なのです。 被災地の道路 被災した住宅群 今の自民党や安倍政権がどうして強いのかって、お友達企業のためなら何でもしてあげるからで、一緒にゴルフをしたり、焼肉を食べるのは半分仕事です。2020年の東京五輪では、オリンピック委員会の役員には給料も交通費も宿泊費も支払われるけど、実際に現場で運営を回すボランティアはあくまで「ボランティア」なので、すべてを自腹で、東京五輪を見に来た外国人に「お・も・て・な・し」です。  今、この記事を読んでいる皆さんは「下々の国民」なので、お国のために協力するのが常識で、西日本豪雨災害の具体的な解決策は何一つ提示されないまま、「どうせ被災者たちも生活に困っているんだから、どうにかしたいと思って頑張るっしょ!」って感じです。頑張れないのは「甘え」ですから。

夏休みが終わってボランティアが激減する被災地の今

被災地の道路 豪雨のため、ダムの貯水量がすぐにいっぱいになり、放流せざるを得なくなってしまい、下流の街で川が決壊し、死者が出るほど甚大な被害となった西日本豪雨災害。今になって「事前にダムの水を減らしておくことはできなかったのか」ということが議論されていますが、そもそも水不足を解消するためにダムがあるのに、いくら豪雨が来るからって、それを予測してダムの水を放流するのは難しいです。そのうちAIなどが発達して、雨の量を事前に予測して放流するシステムが開発される日が来るかもしれませんが、いずれにしても今回の反省を未来につなげていかなければならないことは間違いありません。 積み重なった瓦礫 瓦礫が摘まれた家 取材をしたのは8月下旬の平日ですが、既にボランティアの数は少なくなりつつありました。岡山県総社市でボランティアしている人たちを見ると、大学生くらいの若者が多く、中には可愛い女のコの姿もありました。炎天下の中、家財を運んだり、掃除をしたり、彼らはすべて「ボランティア」でやっているので、交通費や宿泊費、現地での食費も自腹です。 「すべて自己完結するのが本物のボランティアだ!」という謎の価値観が受けつけられている今、ボランティアの負担はどんどん大きくなり、気軽に参加できるものではなくなりつつあります。それでも、この国の「下々の国民」はまだまだ捨てたもんじゃなく、今日も被災地で困っている人たちのためにできることをしています。ただ、見るからに大学生の彼らが動けるのは夏休み期間中だけ。週末になると、たくさんの人がボランティアに訪れるのですが、それでもボランティアの数は減ってしまうことが予想されています。
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いまだ生活を取り戻せない家も
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