“安倍内閣が不信任に値する理由は枚挙にいとまがありません。安倍総理も、せっかく五年半も総理をやられたんですから、後の歴史に断罪されるようなことがないように、一刻も早く身を引かれることをお勧め申し上げます。”枝野幸男 代表(立憲民主党)――7月20日 衆議院本会議
国会の最終盤、話題になったのは枝野幸男代表(立憲民主党)の3時間に渡る安倍内閣不信任案に関する演説だ。
枝野氏は、災害対応、森友・加計問題など
七つの論点を挙げて安倍総理が信任に値しない理由を説明した。この演説は話題を呼び、急遽解説付きで緊急出版された。
不信任案に関して、自民党議員の対応は深く失望せざるを得ないものだった。
もし仮に、官僚システムの崩壊や様々な不祥事に対して真摯であれば、態度は違ったとしても、謙虚にその指摘に耳を傾けるだろう。
しかし、実際は、安倍内閣の閣僚のみならず、自民党議員は「聞いてなかった」「罵詈雑言」などと口々に発言するなど、真摯に指摘に耳を傾ける姿勢は皆無だったのだ。(参照:
なぜ安倍総理は、不信任案に嗤うのか:読む国会)
ここまで、
【1~4月編】、
【5~6月編】、そして今回の【7月編】と3回にわたり第196回国会を振り返ったが、まだまだ書ききれないことがある。
水道法や
国際観光旅客税、
経済政策、選挙制度改革いわゆる
合区の議論などについてもそうだ。
また、与野党が共に賛成した法案も多数あったが、ほとんど取り上げてこなかったことも事実だ。
今国会を通じて明らかになったことの一つは、
安倍総理が病的な嘘つきであること、そしてその嘘を、
政府や党をあげて隠蔽しているということだ。
自由民主党は、党内で上がった自然な声すらも
抑圧し、「実は言っていなかった」と
隠蔽する組織になってしまっている。(参照:
政治家・安倍晋三とは何者なのか ー 病的な嘘つきが我が国の総理大臣である事実について:読む国会)
また、財務省という巨大官庁が
機能不全に陥っていり、他省庁の文書を改ざんするほど腐敗していながら、
財務大臣がそれを解決する能力も意思も持ち合わせていないことも明確になった。
文科省や厚労省もしかりである。
霞が関に、複数の省庁に渡って、これほど多くの問題が発生したことは、記憶の限りなかった。
本来、この国会、あるいは次の臨時国会では、
腐敗した国家システム、あるいは
崩壊したガバナンスをどのように立て直すかというプランが、
政府から出てきてしかるべきなのだ。
しかしながら、そのような動きは
全くない。
現状は、あちこちで火事が起きながら、誰も消火しないままに総理大臣が傍観している、というような状況である。
確かに、全焼すれば火は消えるかもしれない。しかし、それは
国家そのものの価値を根本的に毀損する行為に過ぎない。
嘘をつき通せば確かにその場は乗り切れるかもしれないが、そのことによって省庁のガバナンスや生産性、あるいは国家を担保している信頼性そのものが傷つけられるのだ。
いずれにせよ、この国会、そしてこの政府が、これまでの為政者と比べても
異質であるということが、時系列を追っていくと、明らかになるのではないだろうか。