民泊が減る一方では、別業態の宿泊施設が激増しているという。
「旅館業法の中でも比較的軽いとされる、簡易宿所の営業許可を得て開業する人が増えています。簡易宿所の場合、180日規制を受けることがないため、年間を通じて営業可能。それが、ホスト達が簡易宿所に流れている理由です」
また、異業種からの宿泊業界への参入も相次いでいる。パナソニックやJTBは民泊参入を表明。京町家を改装して宿泊事業をスタートしたワコールに、300戸規模の巨大ホテル建設を発表したドン・キホーテなど、様々な業種が宿泊事業を展開し始めている。
「個人が民泊ビジネスを成り立たせるのは難しくなった代わりに、別業態の宿泊施設が増えると予測されます。ただ、『暮らすように旅する』という民泊の本来の良さに近づけるかは未知数ですね」
真の観光立国に向け、まだまだ日本には課題が山積みのようだ。
《旅館業法と民泊新法のちがい》※編集部調べ
①旅館業法
手続き者 事業者
申告 許可
営業日数 制限なし
苦情対応 事業者オーナー
住居専用地域 不可
フロントの設置 10人未満の小規模施設は不要
②民泊新法・家主居住型
手続き者 オーナー
申告 届出
営業日数 180日以下
苦情対応 管理者
住居専用地域 可
フロントの設置 なし
③民泊新法・家主不在型
手続き者 管理者
申告 届出
営業日数 180日以下
苦情対応 管理者
住居専用地域 可
フロントの設置 なし
吉松こころ氏
【吉松こころ氏】
週刊全国賃貸住宅新聞に勤務後、不動産業界向けミニ通信社「HelloNews」を設立。この2年ほどは、元違法民泊物件の一室を借り暮らしている
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