魯会燦氏の死を報じる韓国のYTNニュース
韓国警察によると7月23日朝、ソウル市のマンションの入り口付近で男性が死亡しているのが見つかった。警察はマンションの17~18階の階段で死亡男性の身分証や遺書とみられる文書などを発見。男性が飛び降り自殺したとみている。
死亡した男性の名は「魯会燦(ノ・フェチャン)」。韓国の国会議員でありながら、野党「正義党」の院内代表も務める政治家である。現場で発見された遺書には、こう書かれていた。
「ドルイドキング事件と関連し、金銭を受け取ったのは事実だ。しかし、不正なことはなにもない。家族に申し訳ない」。賄賂疑惑の中で、彼を死へと追いやったものはなんなのか。世論と政府に衝撃が広がっている。
そもそも、ことの発端は今年5月。
韓国の有名ブロガー「ドルイドキング」が、SNSで「いいね」や「コメント」を偽造し、世論操作をした疑いで逮捕起訴された。のちに文在寅大統領の側近との接触も明らかになり、「2017年の大統領選への影響」がドルイドキング事件の最大の焦点となっている。
ほかにも、「ドルイドキング」を名乗っていた金容疑者は、政界工作をしていた疑いも浮上しており、現在もドルイドキング特別検査チームによる捜査が進行中である。
死亡した魯氏はドルイドキングの側近から不正な政治資金を受け取った疑いが持たれていた。この疑惑は、ドルイドキングの側近とみられるこの男が、魯氏に約5000万ウォンの資金を渡した政治資金法違反、および証拠偽造などの疑いで今月17日に逮捕され、急展開を見せていた。
当初から疑惑を否定してきた魯氏は、この男の逮捕後にも再三にわたって否定し続け、逮捕の翌日、18日に韓国与野党の院内代表がそろってアメリカを訪問した際にも、「ドルイドキング側から金を受け取ったことなどない。とんでもない話だ」と話していた。ほかにも、「(特検が)調査するのであれば、誠実に堂々たる態度で真実を暴こう」とも。