魯氏の遺書は、これまでに3通発見されている。
2通の遺書には家族に対する思いが綴られていた。そして残る1枚の遺書には、ドルイドキング事件特検チームによる捜査に関する内容が書かれていた。
報道によると、遺書には「2016年に2度にわたって、ドルイドキング側から資金を受け取った。(中略)のちにわかったことだが、(受け取った資金は)多くの会員たちの自発的な募金であったため、正式な後援の手続きを踏まなければならなかった。 しかし当時は、そのようにはしなかった」、「今となっては、とても愚かな選択であり、幼稚な判断だった」と書かれている。(参照:
MBN)
魯氏の自殺を受けて、捜査を担当していた特検チームには、動揺が広がっている。
まさに、捜査の果てに掴んだドルイドキングの側近の身柄確保を通じて、ようやく魯氏への追及を強めようとしていた時。そもそも、盧氏の死亡が報じられた23日には、盧氏に資金を手渡したとされる男の事情聴取を行う予定だった。特検チームは盧氏の死亡を受けて、この聴取を中止にしている。
金銭授与を認めた盧氏は、死亡したことによって起訴が不可能なため、「公訴権なし」で、不正資金事件が終結する見通しだ。
しかし、特検チームは、盧氏が遺書を通じて金銭受け取りの事実を認めているだけに、資金を渡した「ドルイドキング」こと金容疑者らに対する捜査の必要性を強調している。韓国の政治資金法45条によると、不法に造成された資金を受け取った人のほかに、渡した人も処罰される規定となっている。
また、今回の盧氏の遺書によって、ドルイドキングの政界工作が決定的となり、「2017年の大統領選」への影響に対する捜査が本格化されるかどうかも、今後注目される。
一方で、盧氏は、韓国の進歩政治の象徴だったといえる。
政界デビューを果たした時から、常に弱者側の立場にたっていた。自身も慎ましく質素な生活を送ることを心がけ、リサイクル用品などを愛用し、贅沢な暮らしはしなかった。
本質を突きながらもユーモアに富んだ発言は国民から支持を得て、絶大な支持を誇っていた。一般受付を行っている葬儀場には、参列者が絶えず、すすり泣く声も多く聞こえてくる。盧氏を称えたメッセージが会場にあふれ、院内代表を務めていた「正義党」への入党者が増えつつあるのだとか。
ソウルにある延世(ヨンセ)大学の大講堂で行った追悼式には、1600人を超える人が殺到。(参照:
OhmyNews)韓国各地で「魯会燦(ノ・フェチャン)現象」が相次いでいる。(参照:
連合ニュースTV)