翁長雄志知事死去。今だからこそ知っておくべき「本土に届かない辺野古問題の誤解」

「オール沖縄」とは何なのか?

オール沖縄 そもそも「オール沖縄」の正式名称をご存知でしょうか? 「辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議」であり、その略称としての「オール沖縄」です。ここに内地の方の多くが誤解している部分があります。  それは例えば、「オール沖縄の主張って全基地撤去なんでしょ?お花畑だよね?」と言った無知に基づくものだったり、「翁長知事って中国の手先じゃないの??」と言ったまったく根拠のないものだったりします。  そもそもオール沖縄の主張は、2013年に県内全市町村で合意し安倍総理に提出された建白書の内容に基づいています。 1.オスプレイの配備を直ちに撤回すること。及び今年7月までに配備されるとしている12機の配備を中止すること。また嘉手納基地への特殊作戦用垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの配備計画を直ちに撤回すること。 2.米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念すること。(辺野古新基地中止)  オスプレイの配備撤回と、普天間の県内(辺野古新基地)移設反対。この2点でまとまった集合体だということが重要です。「全基地撤去」は苛烈な沖縄戦を経験した県民の願いではあるものの、オール沖縄の主張というわけではありません。  翁長知事は元自民党員であり保守の人間です。日米安保の重要性を否定していません。そんな保守の人脈から共産党まで幅広い人脈が「イデオロギーよりアイデンティティ」とまとまったのがオール沖縄です。全基地撤去論者も、海兵隊撤去論者も、いろんな考えの人々がこの2点で同席している状態なのです。  ちなみに県知事をはじめ、県議会ではオール沖縄は与党の立場にあります。  国政レベルでも選挙区ベースで衆参合わせて、6人中5人がオール沖縄の新基地反対議員が当選している現状です。  もしもオール沖縄が全基地撤去を主張していれば、内地に跋扈する「中国攻めてくるおじさん」からの「お花畑」などの声も受け止めなければなりませんが、普天間基地の沖縄県内に占める割合は全米軍基地の6%です。  辺野古の新基地はその6%の移設の話をしているのに、あたかも全米軍基地撤去と主張しているかのようにミスリードし、中国が攻めてくる論と結びつけるのは印象操作と言わざるを得ないでしょう。  普天間を県内から無くしたところで、その他94%の米軍基地は沖縄に駐留し続けます。アジア最大の空軍基地である嘉手納や、海軍基地のホワイトビーチもあります。沖縄県民はすでに国防のために限界まで譲歩していると言えるのではないでしょうか?
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「海兵隊」が駐留する辺野古
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