日本のロックフェスは本当に高いのか? 欧米フェスのチケット価格と比較してみた

 いまや夏の風物詩となったロックフェスティバル。全国各地でさまざまなフェスが開催されるいっぽうで、音楽ファンからは「チケット代が高すぎる!」という悲鳴もあがっている。しかし、本当に日本のロックフェスのチケット価格は高いのだろうか?

インバウンド客が支える日本のロックフェス

IMG_5441 まずは日本の2大ロックフェスのチケット価格とヘッドライナーのアーティストを見てみよう。 ◆フジロックフェスティバル チケット価格:1日券・2万円、前後2日券・3万6000円、3日通し券・4万5000円 ヘッドライナー:N.E.R.D、ケンドリック・ラマー、ボブ・ディラン ◆サマーソニック チケット価格:1日券・1万6000円、2日通し券・2万9000円 ヘッドライナー:ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ、ベック  今年のフジロックは、円安傾向の影響もなんのその。ここ数年のR&B、ヒップホップ人気を表すアーティストが多数出演。加えて、ほぼホールクラスでしかライブをやらないボブ・ディランが登場したことも話題となった。チケット代はここ数年で緩やかに上がっているものの、大きくは変わってはいない。  しかし、新潟県へのアクセスや宿泊費を考えると、若年層にはややハードルが高いとはいえる。キャンプサイトのチケットは通しで3000円とかなりお手頃だが、山中で行われるためテントやアウトドアウェアにもカネがかかるので、決してコスパがいいとは言えないだろう。  ただ、近年は親子連れや、中国、韓国、オーストラリアといった外国からの客も増加。サイフに余裕のあるアラフォー世代とインバウンド客の増加が、大御所から新進気鋭のアーティストまでブッキングできる原動力となっていると思われる。そもそも国外アーティストが出演する大型フェスティバルのない中国、LCCなどを使えば渡航費もそれほどかからない韓国からの客は今後も増加していくはずだ。  いっぽう、アクセスのいい都市型のサマーソニックはチケット価格もお手頃。近年はポップフィールドやEDM系のアーティストがヘッドライナーを務めることが多かったが、今年はアラフォー世代に刺さる2人がトリを飾る。  ちなみに今年は開催されなかったが、お隣韓国のジサン・バレー・ロック・フェスティバル(’17年)のチケット価格を調べると、1日券が約1万6000円、3日通し券が約2万5800円と、概ねサマーソニックに近い料金設定になっていた。  続いては、ロックの本場で数多くのフェスティバルが開催される英米を見てみよう。 ◆コーチェラ(アメリカ) チケット価格:3日通し券・約4万8000円 ヘッドライナー:ザ・ウィークエンド、ビヨンセ、エミネム ◆パノラマ・NYC・ミュージックフェスティバル(アメリカ) チケット価格:1日券・約1万4000円、2日券・約2万4000円、3日券・約3万3000円 ヘッドライナー:ザ・ウィークエンド、ジャネット・ジャクソン、ザ・キラーズ ◆ロラパルーザ(アメリカ) チケット価格:1日券・約1万3500円、4日通し券・約3万7400円 ヘッドライナー:ザ・ウィークエンド、ブルーノ・マーズ、アークティック・モンキーズ、ジャック・ホワイト ◆レディング&リーズ・フェスティバル(イギリス) チケット価格:1日券・約1万1200円、3日通し券・約3万2000円 ヘッドライナー:フォール・アウト・ボーイ、ケンドリック・ラマー、キングス・オブ・レオン  「セレブフェスになってしまった」という批判も多いコーチェラ以外はいずれも日本よりはチケット価格が安かった。  とはいえ、日本のフェスと格段の差があるかといえば、そこまでではないように思われる。
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フェスの価値を決める要素とは
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