迅速性の測定は、より簡単だ。
例えば、私の演習では、演習を実施する前に書籍を読んでもらい感想や質問をトレーナーである私にメールで送付いただく。演習を実施した後に、演習で身に付けたスキルを実際のビジネスの場面で実施していただき、その状況や質問を私にメールで送付いただく。これらのメールを受信した順番が、迅速性の順番になる。
これも、「たまたま早く送っただけだ」「事情があって遅くなっただけだ」ということもあるだろうが、迅速だったかどうかの事実を示す結果であることは間違いない。数回にわたって集計していくと、その人の傾向値が明確に出て、意味のあるデータとなる確度が高まる。
もちろん、迅速であることが全てではない。メールを受信したタイミングが遅い方から、慎重性の高さを測定できるとも言える。
ただし、この場合は、慎重だったから遅くなったという理由以外に、単に対応が遅れていたために遅かったというような事情も含まれるので、データの確度は低くなる。
演習を実施する企業によっては、メールの文量により、文量が多い順に丁寧さを測ったり、逆に文量の少ない順に簡潔さを測ったりもする。
文量が多くなったのは、丁寧さだけではなく、単に文意をまとめられないだけだったり、文量が少ないのは、簡潔さだけではなく、積極性が欠けていたという理由だったりする場合もあり、データの確度は低くなる。
いずれの場合も、データの確度は、計測回数を重ねることで高まっていく。