写真/時事通信社
西日本で起きた集中豪雨や、気温が40℃を超えるほどのこの暑さ……。連続の異常気象には辟易してしまうが、苦しめられてばかりではいられない。自然災害に一矢報いるべく、今だからこそ買うべき銘柄を探る。
例年にない猛暑や豪雨が日本列島を襲っている。埼玉県熊谷市では7月、観測史上最高となる41.1℃を記録。灼熱地獄のような暑さは文字通り殺人的で、7月16~22日の1週間で全国で約2万2000人が熱中症で搬送され、28府県で65人が死亡した。
気象庁は異例の記者会見を開き、「経験したことがないほどの暑さになっている地域がある。命に危険を及ぼすレベルで、災害と認識している」と発表。最大級の注意喚起を行っている。災害は決して好ましいことではないが、一方では、またとない投資のチャンスと見ることもできる。証券アナリストの藤本誠之(のぶゆき)氏はこう語る。
「猛暑の際の人々の消費行動を予想して、連想ゲーム的に予測を広げながら考えていくとよいでしょう。まだ夏が始まったばかりなのにこれほどの暑さとなると、誰しもしっかり対策しようとする。サマーストックと呼ばれる暑気対策に関する銘柄にとっては追い風になっています。すでに株価が上昇しているものもあるが、まだまだ低いものもありますね」
ニュースでは「ためらわずにエアコンを使いましょう」と呼びかけており、エアコン関連は猛暑関連銘柄の代表格と言える。だが、一つ注意が必要だ。
「大手エアコンメーカーは海外事業比率が高く、ダイキン工業(東1・6367)は全体の売り上げの76%、富士通ゼネラル(東1・6755)は69%が海外で、日本の猛暑の影響は限定的です。それよりはエアコンのメンテナンスを行っている企業や、空調部材を扱っているメーカーや商社などに注目したほうがよいでしょう」(藤本氏)
夏の気温は、人々のレジャー行動に与える影響が大きい。猛暑となれば暑さを凌ごうとビーチやプールに行く人も当然増加する。
「プールの水質維持のためには、塩素消毒が必要。同薬品を作っているメーカーは限られていて、四国化成工業(東1・4099)がその一つです」(同)
個人投資家の株師孔明(かぶしこうめい)氏も、災害関連銘柄について次のように見解を示す。