モグ氏は独自のインジケーター「モグナルZ」(非公開)を開発。直近の高値ないし安値を更新してくるときに出来高が伴って(増えて)いれば、ワンちゃん、直近の高値・安値形成時に対して出来高が半減している場合には「クマ」が表示される。
仮想通貨の値動きが荒いため、トレーダーの多くは秒単位で売り買いを繰り返すスキャルピング勢。だが、雄大な自然が広がる北海道には、どっしりと構えて資産を100倍にしたスウィングトレーダーがいた! その秘技を大公開する!
月次最高益は3000万円! ビットコイン道産子トレーダーの資産100倍増術
「毎朝6時に起きて“仕事”を始めて、9時ぐらいからチャートをチェックしています」
こう話すのは北海道在住のトレーダー、モグ氏だ。その「仕事」とは酪農ではなく、主夫業。早朝に起きて愛妻のためにお弁当を作り、職場まで車で送って帰宅したら、今度は愛犬の散歩へ。そのあと、“副業”の仮想通貨トレードを開始するという。だが、この副業の稼ぎがえげつない……。
「きっかけは友人がビットコイン(BTC)絡みの詐欺に巻き込まれたこと。昨年4月に、『お金戻ってくるかな?』と相談されて、仮想通貨のことを初めて知ったんです。調べてみたら面白そうだったのでビットフライヤーに口座を開いて自分でも60万円分のBTCを買ってみました。それが1か月ほどで300万円になったのに、昨年5月後半の急落で150万円に減少……。このとき、“ガチホ”するだけじゃダメだと気づいて、売りでも入れるビットコインFXに切り替えたんです。以来、大負けはありません。資産は少なくとも100倍にはなっていますね」
’17年度の確定申告では最高税率が課される「課税所得4000万円以上」を申告。さらに、今年1月以降の暴落相場では「3000万円以上の利益を出した月もあった」と言うから、資産100倍は控えめな数字と考えていいだろう。一体、どうやって乱高下するBTC相場で荒稼ぎしたのか?
「チェックするのは、ほぼ移動平均線と出来高だけ。4時間足の50EMA(指数平滑移動平均線)の傾きを確認して、下向きならEMAタッチで戻り売り、上向きなら押し目買いを狙います。実際のエントリーは15分足を見て、直近の高値・安値に接近してきたポイントで出来高が減っていたら、『勢いが衰えて反転するだろう』と判断して注文を入れるんです」
この出来高と高値・安値の関係を一目で確認できるようにモグ氏は「モグナルZ」なる独自のインジケーターを開発。有料チャートツール「Trading View」に組み込んで利用しているが、ビットフライヤーのチャートで出来高をチェックするだけでも十分。実際に、そのエントリー手順を見ていこう。
《独自のツールで出来高チェック》
モグ氏は独自のインジケーターを開発。それが、「モグナルZ」(非公開)。その仕組みは単純。直近の高値ないし安値を更新してくるときに出来高が伴って(増えて)いれば、ワンちゃんマークが表示され、高値形成時は上向きの矢印、安値形成時には下向きの矢印が同時に現れる。一方で、直近の高値・安値形成時に対して出来高が半減している場合には「クマ」が表示され、高値形成時は下、安値形成時は上向きの矢印が同時発生。犬は順バリ、クマは逆バリのシグナルになっている。ただし、「モグナルZ」なしでも同様のトレードは可能……。
4時間足の50EMAをチェック
4時間足チャートを見ると、右肩下がりの50EMAに対してローソク足が下から接近してきていることがわかる。当然、売り目線だ。このときの15分足を見ると直近高値に迫る勢いで大きな陽線を形成していたが、出来高は直近高値形成時の半分ほどに減っていることに気づく。つまり、「買いの勢いが衰えている」状態だ。これを確認して、上ヒゲが伸びてきたところで、売りエントリー。下げに転じて急落後、再び出来高が減少してきたら「売りの勢いが衰えた」と判断してポジションを手仕舞うのだ。
出来高が減った高値形成時に売り!
「多いときは100BTC分の注文を入れるときもあります。期待値が小さいときは50BTCほどに抑える。その期待値を測るのにチェックしているのが、ビットコインFXのロングとショートポジションの推移。海外大手取引所のBitfinexなどで確認できます。ロングが膨らんでいるときは、下げ始めるとロング勢の損切りを巻き込んで急落しやすいので100BTCの売り、売り買いのポジションが拮抗しているときは下げ幅が限られるので50BTCの売り、というふうに調整するわけです」
このポジションの推移は「
datamish.com」というサイトなどでも一目で確認することが可能。売り目線のときに、買いポジションが売りを大幅に上回っていたら、いつもより多めに売り注文を出してみよう。
「datamish.com」ではビットコインのロングとショートのポジション推移を見ることができる
「損切りは注文を入れた直前の高値・安値です。数千円幅で損切りを置くことも多いので、損切りに引っかかってしまうことが多いのですが、戻り・押し目をしっかり拾うことができれば1トレードで大きな値幅を狙うことができるでしょう。戻り売りで入ってBTCが下げ始めたら、直近高値に損切りを徐々に引き下げていくことでリスクを抑えながら利益を伸ばすことができます」
実は、エントリー後の値動きを予想するのに、モグ氏は“もう一つの出来高”をチェックしている。それは「可視範囲出来高」。時間単位で表示される通常のものとは異なり、価格帯別に表示した出来高だ。